【解説】アパート経営の代表的な17種類の経費まとめ




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青柳 雄太郎

青柳 雄太郎

ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。
パソコンで作業をしているビジネスマン

アパート経営で不労所得を得る。雇用の流動的な現代では、複数の収入の道を確保しておくのは非常に賢い選択です。ではアパート経営を行うとどのような経費が発生するのでしょうか。

把握しておかないと、思わぬ出費に経営が立ちゆかなくなるかもしれません。

【解説】アパート経営の代表的な17種類の経費まとめ

1)税金の計算方法って?

【1】アパート経営における税金の計算式と方法

アパート経営におねる税金は、家賃収入に対して掛かります。しかしその税率はあなたの所得全体(家賃収入以外に収入があるならそれも加えて)に応じて計算される所得税率によって異なります。家賃収入に掛かる税金の計算式は次の通りです。

不動産所得 - 所得税率 = 不動産所得に掛かる税額

【2】不動産所得の計算方法

不動産所得は単純に家賃収入とイコールではありません。不動産所得とは家賃収入から必要経費を差し引いて計算されます。計算式は次の通りです。家賃収入 - 必要経費 = 不動産所得

2)そもそも「経費」の重要性とは

【1】そもそも経費とは

経費とは、「あることをするのに必要な費用」のことであり、アパート経営における経費は、アパート経営を行う上で必要な費用ということになります。

【2】「経費」の重要性とメリットとは

経費を上手に活用することで節税になり結果として、あなたの手元に多くのお金を残すことができます。例えば、家賃収入が100万円で所得税率20%の場合、単純に税額を計算すると20万円になります。

100万円 × 20% = 20万円。ところがこのアパート経営で収入を得るために掛かった費用の30万円を必要経費として計上すると税額が変わってきます。(100万円 - 30円) × 20% = 14万円。経費を活用すると6万円も差が出てくるのです。

【3】アパート経営ならではの必要経費とは

アパート経営ならではの必要経費もあります。管理費、修繕積立費、賃貸管理代行手数料などがそうです。これらを把握しておくことで上手に節税を行うことができます。

3)アパート経営における代表的な経費17種類

【1】各種税金

・不動産取得税

アパートを建てると最初に都道府県より課税される税金です。

・固定資産税

不動産を所有することに対して掛かる税金です。アパートの場合は土地と建物に掛かります。

・事業税

アパート経営は不動産貸付業という事業を営んでいると見なされる場合があり、事業税が課税されます。事業税が課税される基準は次の通りです。1戸建の場合は、棟数が10以上。1戸建以外の場合は室数が10以上。

・登録免許税

不動産登記を行う際には、登録免許税が掛かります。

・印紙税

アパート経営を行う際には、売買契約書やアパート経営に関する各業者との契約、領収書を発行する際など収入印紙を貼る必要があり印紙税が発生します。印紙税は、契約の金額によって課される金額が変わります。

【2】管理費

建物の管理を建物管理会社に委託する場合、管理費を支払うことになりますが、この管理費は必要経費になります。

【3】賃貸管理代手数料

入居者からの毎月の家賃集金や入居者のトラブル対応、入居者募集などを管理会社に任せる場合にはっせいする手数料も必要経費として計上できます。

【4】水道光熱費

賃貸部分で使用している共用の水道料金・電気料金・ガス料金などは必要経費として計上できます。

【5】損害保険料

アパートに掛ける火災保険・地震保険の費用は必要経費として計上できます。なお計上できる金額は全額を前払いしたとしても、1年につき1年分だけです。

【6】修繕費

入居者が退去した後の原状回復のための内装工事費や設備交換費用は必要経費として計上できます。

【7】ローン保証料

ローンを組む際に信用保証会に支払いを保証してもらうための費用がローン保証料です。このローン保証料も必要経費として計上できます。

経費計算をしている女性

【8】旅費交通費

アパートの管理や管理会社・入居者とのやり取りに際して発生した、電車代やタクシー代は旅費交通費として必要経費に計上できます。

【9】通信費

アパートの管理や管理会社・入居者とのやり取りに際して発生した電話代や郵便代、インターネット通信費を通信費として必要経費に計上できます。

【10】新聞図書費

アパート経営において、必要な情報収集のために購入した新聞や書籍の費用は新聞図書費として必要経費に計上できます。

【11】接待交際費

アパート経営において、必要な管理会社や不動産会社などとの打合せのための飲食費や手土産代は接待交際費として必要経費に計上できます。

【12】消耗品費

確定申告や書類の作成のために購入したパソコンやプリンタ、インク代などは消耗品費として計上できます。

【13】外注費

確定申告を行う際に税理士に依頼した費用やトラブル対応の為に依頼した弁護士への報酬や、それらへの顧問料などを外注費として必要経費に計上できます。

【14】管理人給与

アパート経営の事業を営むものと生計を一にする、15歳以上で一定の要件にあてはまる親族がアパート経営に専従した場合、その給与は必要経費として計上できます。つまり条件を満たす人をアパートの管理人とした場合の管理人給与は必要経費となるということです。

【15】借入金利子

アパート購入のために組んだローンの返済額のうち、利子相当部分は必要経費として計上できます。

【16】減価償却費

不動産の取得費用を定められた期間で分割し、毎年減価償却費として計上できます。

【17】修繕積立費

建物管理会社に対して修繕積立費を支払う場合、これも必要経費として計上できます。

修繕費や地震保険料などで自宅に関するものはアパート経営に直接関係がないため経費になりません。また不動産を売却した場合の譲渡損も経費として計上することはできません。

4)実際の節税効果って?ケーススタディとは

必要経費を上手く計上することでどのような節税効果がのでしょうか。(1)でも紹介しましたがもう一度おさらいしましょう。家賃収入が100万円で所得税率20%の場合、単純に税額を計算すると20万円になります。

100万円 × 20% = 20万円。ところがこのアパート経営で収入を得るために掛かった費用の30万円を必要経費として計上すると税額が変わってきます。(100万円 - 30円) × 20% = 14万円。必要経費の活用で6万円も節税効果が生まれます。

経費の計算をスマホでしている男性

5)アパート経営で知っておきたい減価償却のこと

【1】減価償却とは

減価償却費とは、不動産の取得費用を定められた期間で分割し計上できる経費です。実際の支払いを伴うものではありませんが、長期に渡って活用できる帳簿上の経費になります。

【2】アパート経営

アパート経営においては、家賃や入居率によって必ずしも一定の収入が得られるわけではありません。そのため、減価償却をうまく活用することで必要経費を計上し、利益を圧縮して上手なアパート経営をしていく必要があります。例えば、アパートの購入時や大規模修繕などで計上する減価償却費を一括計上するのではなく、設備ごとに細分化して経費計上するといったことです。

【3】減価償却が可能な資産

アパート経営では、建物や建物附属設備、門や庭園などの構築物、エアコンやインターホンなどの器具備品などが減価償却の対象となります。

【4】耐用年数の例

減価償却は法定耐用年数から求められた償却率を用いて計算します。法定耐用年数は建物の構造・用途によって定められています。例えば木造モルタル住宅の場合は20年。鉄骨鉄筋コンクリート造住宅の場合は47年となっています。

【5】確定申告の手続きの方法とは

アパート経営を始めると自ら確定申告を行う必要があります。アパート経営における申告対象は「不動産所得」です。確定申告に必要な書類は管轄の税務署でもらうか、国税庁のHPからダウンロードします。書類への記入は税理士に依頼するか、税務署が行う無料相談会で記入方法を教えてもらい自分で記入する方法、または国税庁HPの確定申告コーナーでガイダンスに沿いながら自分で入力し書類を作成する方法などがあります。

自分の理解度に応じて適切な方法で書類を作成するようにしましょう。作成した確定申告書類の提出は、毎年2月上旬から3月中旬に行う必要があります。

6)アパート経営の「個人」「法人」の違い

【1】法人化のベストタイミングとは

「個人」と「法人」では税率に違いがあります。資本金1億円以下の中小企業扱いの法人の場合、所得800万円以下での実効税率は21%から25%程度です。個人では課税所得が330万円を超えると、所得税+住民税の実効税率が27%を超えます。

他に給与所得がある場合には、合算して計算する必要があるため単純に計算はできませんが、一般的に「800~1000万円の利益」を超える場合には、節税の観点から法人化すべきだと言えるでしょう。

【2】法人化の5種類のメリット

法人化を行うことのメリットは、まずご紹介した節税効果があります。また法人化することで役員報酬や社員への給与を経費として計上できます。更に小規模企業共済や会社で加入した役員の保険など経費として計上可能なものも増えます。

更に不動産を法人所有とすることで個人の相続財産が減少し、相続税を節税できる効果もあります。法人と個人では欠損金の繰越期間も異なります。個人では3年ですが、法人だと9年に渡り欠損金の繰越控除が可能です。

【3】法人化で把握すべきことと注意点とは?

法人化することのデメリットもあります。個人事業では従業員5人未満の場合、従業員の社会保険は任意加入ですが、法人では強制加入です。そのため従業員と経営者は社会保険に加入する必要があり、労使折半で負担据える必要があります。また法人にかかる地方税が年7万円以上発生します。

また一時的な費用になりますが、法人化のために会社設立費用が掛かります。更に法人化後の会計・税務は個人に比べて複雑になります。そのため手間の増大や、税理士への依頼費用が増えることになります。

7)大前提!「経費」を考える前にまず大切なこと

【1】経費は無駄に使うものではない

節税のためだとして経費をどんどん使えば良いというものではありません。経費は収入と照らし合わせて上手く使っていくことで、節税効果を見込むものです。

【2】アパート経営におけるキャッシュフローの重要性

アパート経営においては帳簿上の損益だけではなく、実際手元にどれだけのお金が残っていくかというキャッシュフローが重要になります。

キャッシュフローを考慮しない経営を行っていると、損益上利益は出ているはずなのに資金ショートしてしまう黒字倒産の事態に陥りかねません。特に経過年数共に変化する経費に注目が必要です。それは減価償却とローンの利子です。

物件を購入した際に、建物・設備の減価償却費を低額で計上し、ローンを元利均等返済すると最初は相当額の経費を計上できます。しかし、経過年数と共に減価償却費とローン利子額が減っていくため、家賃収入は増えていないのに不動産所得が上がり、手元に残る現金が減っていってしまうということが起こるため注意が必要です。

まとめ

1)アパート経営における不動産所得の計算方法と税金の関係

2)アパート経営では上手く経費を計上することが重要

3)必要経費を計上し節税効果を得る

4)原価償却費はアパート経営の重要ポイント

5)アパート経営の法人化メリット・デメリット

6)アパート経営を続けるにはキャッシュフローが重要

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青柳 雄太郎

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ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。




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