減価償却をウマく活用!節税対策で抑えるべき税金の4つの事




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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。
家の模型と虫眼鏡

資産運用や投資などで、わかりにくいのは、やはり会計ではないでしょうか。中でも減価償却と税金の関係は、なかなかイメージ出来ないかもしれません。

減価償却についてと、税金との関係をご説明します。お金に関することは、特に理解を深めておくべきです。

1)そもそも減価償却とは?

【1】減価償却とはなに?

・減価償却とは?

自己資産や公共資産などで、故障や破壊、倒壊や使用不能となるような、その財を利用、使用していく中で、その価値が減じていく費用を経費として計上し、新規購入や交換費用に備える会計手続きを減価償却と呼びます。

従って、通貨や証券などの対価費が現金と同等か、その元本を保証、あるいは最低価格を保証された財産は、減価償却費としては認められません。通常は、お金などの対価や有価証券などと等価交換した一定の財産に対して設定されています。

・減価償却の必要性とメリット

減価償却とは、購入した財産の現状の価値、市場価値を知る目安となるので、正確に自分の財力や財産の全体像と総量を把握することになります。

これは事業や投資を行う際には、それを売却したり、税金に対して節約することになるので、安定した事業運営や、投資対象の妥当な評価を決める際に、大変重要なポイントとなるのです。事業や投資に支出する費用が大きければ、より重要度は増しますし、小さい事業でも経営の健全化で、債務調整に役立ちます。

【2】減価償却資産とは?土地は含まれない?

土地が減価償却対象とならない理由は、まずどんな土地でも、例えば宅地造成だったとしても、その土地の大きさが変わったり、場所が移動することがないからです。確かに土地は費用を払って手に入れることが出来る、投資や財産の対象ではありますが、根本的にその開発や利用によって、土地の大きさが変わるわけではありません。

あくまでも評価額が変わるだけです。減価償却対象は、新規購入時の価額から必ず減価、すなわち対価として交換できる費用が下がります。土地の場合は、その周辺土地開発や、あるいは施設の撤退などで価値の評価は、上下する事があります。

【3】減価償却の計算方法

減価償却には、必ず「耐用年数」というその建物や財産の価値がゼロになるまでの期間が定められています。この基準を元に、毎年どれくらいで減価されるかを、定額で求めるか、定率割合で求めるかの違いが定額法と定率法の違いです。

・定額法

毎年の1年間の利用で使用可能な耐用が減るとして、毎年同額で新価から定額減価を差し引くのが定額法になります。計算式は以下です。

・減価償却費=所得減価×(定額法の償却率)×使用月数÷12ヶ月

定額法の償却率自体が、一定に決められているので、言い換えれば頑丈で壊れにくい建物や火災や災害に強い建物の構造などは、使われる材料の耐用年数で決まるため、この計算式を用いる場合があります。

・定率法

その対象物が新価で買った時の当時を減価償却費用としては、最も少ない割合で計算し、毎年その耐用年数が前年度よりも下がる事を前提とした計算方法です。計算式は以下になります。

・減価償却費=(取得原価-減価償却累計額)×定率法の償却率×使用月数÷12か月

定額法と大きく異なるのは、その対象が定額法が年間の使用耐用を対象としているのに対して、累積した減価を最初に取得原価から差し引いてあることです。従って、最低評価額というものが設定されており、それが「償却補償額」となります。

最終的に建物などが人が住めない状態になったりした一般住宅の場合は、その時点で価値はゼロとなりますが、中古住宅などである程度改修すれば住める状態になった場合は、新価に比べて低くても価額は設定されます。従って、そうした建物を維持管理出来る状態で存続させていた場合は、償却保証額、つまり最低価額になる時点で、定額法の計算式に切り替わります。

【4】「個人事業主」と「法人」では計算が違う?

減価償却資産は価額に対して妥当な費用を払って取得したものに、「財産価値が法令上認められるか?」を判断するためのものです。従って、個人や法人でその扱いに違いはありません。

しかし、税制上、事業者で法人の場合は所得者以外の使用も想定されるため、毎年定額での評価には当たらず、定率法が採用されます。個人の場合は、その対象物を個人が管理し維持するため、一般的な使用頻度を想定し、定額法が用いられます。

2)耐用年数の違いと償却率とは?

耐用年数は、法定耐用年数と経済寿命に於ける耐用年数の2つがあります。法定耐用年数とは、国が定める基準に照らして、種類や用途が決められている場合で画一的に設定される減価償却の計算方法です。

つまり、価値基準を国が保証するというものですね。そのため償却率は定額法でも定率法でも、決められた数字が使われます。経済寿命における耐用年数とは、使用や利用に於ける耐用し得る期間はあったとしても、その評価はそれを売却するするまでは、決定されない違いがあります。

例えば自動車の走行や乗車の機能は新車と変わらなくても、使用した事実としてエンジンや可動部は、耐用年数を過ぎている場合もあります。従ってこの場合、正確な耐用年数を推し量る基準が曖昧となります。

【1】減価償却と耐用年数の代表的な12種類の事例

・小型車:耐用年数4年

・報道通信用車両:耐用年数5年

・自転車:耐用年数2年

・大型車:総排気量3リッター以上は耐用年数5年

・乗合自動車(バスなど):耐用年数5年

・事務机-事務椅子(金属製のもの):耐用年数15年

・接客用応接セット(オフィス用):耐用年数5年

・冷蔵庫

・照明設備

・パソコン(サーバーを除く):耐用年数4年

・ラジオ:耐用年数5年

・時計:10年

・カメラなどの光学機械:耐用年数5年

・ソフトウェア:耐用年数設定なし

減価償却費の計算式は、一般的には前述したように個人と法人では、計算方法が異なるので、新価額と累積減価を計算し、通常は評価額を決めますが、一般的には市場価格と連動している例があるので、あまりこうした備品に関する減価償却費の計算は、個人の場合は経営判断次第で考えたほうが良いでしょう。

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【2】償却率とは?

新価価額の評価額を下げる割合のことを、償却率と呼びます。定額法の償却率は、毎年一定の減価しか行われませんが、定率法の場合は償却費の額は取得した年度の方が常に高く、差し引く割合は累積した減価の合計を取得した新価額が差し引くため、耐用年数に対して評価額が定額法よりも割合は大きくなります。

【3】償却保証額とは?

少し専門的なことを言えば、資産の所得価額に当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて、計算した金額です。前述した定率法で用語が出てきますが、これは法改正によって、法定耐用年数がもうじきゼロ評価になる前、たとえ1円でもあれば減価償却費とそて計上出来るのは、不自然だとして、償却出来るのは一定の価値ある資産とするべきとして、生まれた規制です。

つまり、一定の耐用年数を過ぎるまでは、定額法に当たらない償却資産も、ギリギリまでは価値を保証し、それ以降、定額法をつかった一律の償却率に変えることで、資産価値を守る仕組みです。

法人の場合は、細かい減価償却費によって、資産価値が大きく変動することがあるので、こうした方法を使う場合があるということです。減価償却費は経費として計上できるので、税制上の優遇処置としてみることも出来ます。つまり簿価として、「1円」も計上して良いということです。

3)不動産の減価償却費の計算方法とは?

【1】構造別の耐用年数の違い

[住宅]

木造住宅:耐用年数22年

レンガ造り住宅:38年

鉄筋コンクリート住宅:47年

[オフィス]

軽量鉄骨造:30年

木造:24年

鉄骨造:38年

鉄筋コンクリート造:50年

【2】2億円の建物の減価償却費をそれぞれ計算(法人のケース)

原則的に、平成10年4月1日以降に所得した建物の償却法は、定額法のみとなっています。以下1年事業に使用したと仮定して計算しています。つまり2年目からの実際の価額を示していることになります。

・軽量鉄骨造:2億円×(0.034)×(使用月数12ヶ月÷12ヶ月)

-耐用年数30年

-軽量鉄骨とは厚さ6ミリ未満の鋼材ですので、この場合は厚さ4ミリ以下、3ミリ以上の場合です。

金額:減価償却費1年経過=680万円

・木造:2億円×(0.042)×(使用月数12ヶ月÷12ヶ月)

-木造・合成樹脂造の場合

-耐用年数24年

金額:減価償却費1年経過=840万円

・鉄骨造:2億円×(0.027)×(使用月数12ヶ月÷12ヶ月)

-鉄骨コンクリート造

-耐用年数38年

金額:減価償却費1年経過=540万円

・鉄筋コンクリート造:2億円×(0.020)×(使用月数12ヶ月÷12ヶ月)

-耐用年数50年

金額:減価償却費1年経過=400万円

【3】中古物件と減価償却費の関係って?

減価償却とは、そ建物であれば「うわもの」である建物自体の法的な評価額を決める基準ですので、考え方としては丈夫な建物であれば、売値は高くなる分、経費として落とせる減価償却費は、低い水準でも長く計上するし、結果としてそれが節税になるとは限りません。

また、木造建築だったとしても、2年後の償却率も非常に高いので、転売せずに新価で購入することに比べれば、経費は短期間でかなり高く、言ってみれば大幅な節税になる場合もあるということです。

減価償却費を税制面からでしか見ないとよくわかりわかりませんが、不動産として「転売する際の現在の法的価値基準」として考えるようになれば、財産と減価償却の相互関係がよく理解できるかと思います。

【4】固定資産台帳・総勘定元帳とは何?

・固定資産台帳

「固定資産」とは、簡単に言えば土地などの上に移動できない固定された資産のことで、この台帳では、そうした減価償却資産として計上する明細を記述するものです。基本的には物件所有者や事業主が土地建物を購入した場合に、税金の申告で根拠となる台帳です。何をいくらで買ったどうかを証明すると考えれば良いですね。

・総勘定元帳

元々は勘定科目全ての取り引きにおいて、勘定口座を集めたもので、要するに口座から、口座へお金の流れが見えるように視覚化した台帳です。事業者では、経費や事業で購入する資材や商品購入の資金などは、一旦借り入れ、引き出しなどの動きを、一旦補助簿に記帳し、次に仕訳帳にそれぞれ科目別に仕分けし、その仕訳を総勘定元帳に転載します。現在では、大企業などを中心に、賃借対照表と損益計算書の2種類で最終的に公表していますので、会計帳簿としては内部資料に当たるものでしょう。

電卓での経費計算

4)ここに注意!知っておきたい減価償却の5つのこと

【1】結局節税効果はどのような時に発揮される?

・個人

事業主などではない個人の場合は、構造上の強度や耐震性などで頑丈な方が、減価償却、つまり最終的な評価額が新価に比べて年度毎に下がる率が低いので、価値も高く利点は多いです。固定資産税は、その分「他に比べて低いが支払期間が長くなる」といえます。

・法人

一方法人の場合は、住居と事務所が分かれている場合は、どちらかの建物を処分することを考えると、固定資産税は低い方が経営を圧迫しないともいえますね。その為、新規事業で新しく建物を新造すると、経費は余計にかかるし、事業財産にかかる税金も増えるという関係になります。

ただし、これが一旦建物の売却やリースを考えている場合は、投資としてその対象が新価に近いというの言うのは、有利なのは言うまでも無いでしょう。

【2】複雑な計算になることが多いので専門家の力を借りる

経理や簿記に関することは、専門用語が多いのとどうしても数字を使う為に、計算やイメージが苦手な人は経理は会計士に頼るのが一番早いでしょう。それには会社などの内部情報を、第三者が知り得ることになるので、信頼出来る会計士や簿記が出来る人に依頼しなければなりません。

【3】税務調査の指摘に備える

税金というのは、必ず「前年度」の実績を通じて、それを評価し、税率を当てる対象に税金を設定して事業の運営の翌年の3月などに申請し、その年支払うようなシステムです。従って申告漏れや不備があれば、当然追徴課税もあります。

事業の場合は罰則もありますので、税務調査が入った事業者は大きな信用を落とすことがあるのです。特に株式会社の場合は、投資家に多大な迷惑をかけることになります。

【4】使用可能期間や償却方法の把握

耐用年数とは、「使用可能の評価」とは違い、価額として対価の現金化出来る対象物であるという意味でもあります。その期間を指しているので、耐用年数30年であれば、30年後には新価の価値から価額が下がって最終的にゼロ評価になるということですね。

もちろん、売るつもりも譲渡の予定の無いのなら、特に気にする必要はありません。維持をしっかり長く使えるようにしていけばいいだけです。一方で、減価償却とは、課税対象として評価される物件の価値などを見極める、ある種の基準なので、最終的に転売を希望する場合や、リースで投資対象とする場合は、減価償却期間が残り少ない部件は、ほとんど利点が無いことを意味します。

【5】売却時に税金が高くなるケースも

売却、つまりある物件を転売するケースでは、減価償却期間が長く、しかも耐用年数も長ければ、固定資産としては大きく税制では評価されます。もちろんそれらが短い場合は、その限りではありませんが、債務が多く、物件にかかる新価の出費が借り入れ割合が高い場合は、新価物件の場合などは、むしろ税金面で負担に感じるケースもあります。

まとめ

1)減価償却とは、「物の価値が下がっていくこと」で、減価償却費はその累積額

2)節税目的で減価償却期間が長い方が、必ずしも有利ではない

3)勘定項目では最も重要な経費の計算方法の一つ

4)節税方法のあくまでの一つで、一般的には転売の評価額の目安

5)個人事業主は原則定額法、法人の場合は原則定率法

6)固定資産は買い換える事が少ないため、中古か新価かよく考えること

7)耐用年数は、使用限度を表す年数ではない

8)減価償却は、あくまでも法的な価値基準であり、付加価値とは別であること

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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。




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