【14選】法人税をカシコく納める為の税金対策のススメ




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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。
経理の女性

事業経営において納税は避けて通れない義務です。この税金の中には、法人で経営を行う場合の税金として法人税があります。法人税は賢く納めることで上手に節税することが可能です。

税金対策としてどのように節税していけば良いのでしょうか。ご紹介します。

1)そもそも法人税・節税対策とは?

【1】法人税とは

・法人税とは?

法人税とは、株式会社や協同組合などの法人が得た所得にかかる税金です。各事業年度ごとに課せられます。また法律上は法人ではないPTAや同窓会などの人格のない社団、それから社団法人、宗教法人、学校法人といった公益法人の場合でも、収益事業がある場合のみ税務上の法人とみなされ、法人税が課税されます。

・3種類の法人税とは?

法人税は3種類の税から構成されています。それは「法人税(法人所得税)」「法人住民税」「法人事業税」です。

【2】法人税ってどれくらいかかる?実効税率とは

・法人税

所得に対して23.4%が税額として課せられます。ただし、中小法人で所得が年800万円相当額以下の部分は税率が15.0%になります。800万円相当超の部分は23.4%で計算します(協同組合や公益法人の場合には、異なる税率が適用されます)。

・法人住民税

所得に応じて算定される「法人税割」と、所得に関係なく会社規模に応じて算定される「均等割」があり、その合計を納税することになります。「法人税割」は、法人税の額に税率を掛けて算出します。税率は法人規模や自治体によって異なります。

例として東京都の場合、資本金1億円以下かつ法人税額が年2000万円以下の場合、課税額は法人税×12.9%になります。この条件を満たさない場合は、法人税×16.3%で算出します。「均等割」については、資本金1000万円以下かつ従業員50人以下の場合、7000円。資本金1000万円超1億円以下かつ従業員が50人以下の場合、180000円、など段階によって決められています。

・法人事業税

所得に税率を掛けて算出します。法人事業税の税率は自治体ごと年間所得別に段階的に設定されています。例として、東京都で所得額が年400万円以下の場合、資本金1億円以下であれば税率3.4%、資本金1億円超であれば、3.65%となります。

これらを元に実効税率を計算すると、所得金額400万円以下の場合で約21.4%。所得金額400万円超から800万円以下で約23.2%。所得金額800万円超では約33.8%となります。

【3】節税の基本的な考え方とは?

法人税の節税の基本的な考え方としては、損金を増額させ所得を減らすことです。「損金を増やす」とは、出費を増やすと言うことでは無く、現状で損金扱いになっていないものを損金扱いできるように工夫すると言うことです。

さらには課税所得の800万円以下および資本金の1億円以下という法人税率が変わるラインがあります。そのラインを下回ることにより節税を実現することができます。

【4】節税対策で大切な4つの心構え

・そもそも節税の目的は?根本的な「節税」の意味を理解しよう

節税とは法人が納める税額を少なくすることで財務体質強化を実現することです。それにより法人のキャッシュを最大化することで、事業を拡大したり健全に継続したりしていくことが可能となります。適切な節税は、事業の発展や安定に必要なことだと言えます。

・会社の「法人税」と社長の「所得税」のバランス

社長の報酬を多くした場合、会社の利益が少なくなります。逆に社長の報酬を減らせば、会社の利益が増えることになります。会社の利益には法人税が課税され、社長の報酬には給与所得として所得税が課税されます。

「法人税」は法人の所得、と「所得税」社長の報酬を元として、金額によって段階的に税率が変わります。それぞれの金額を元に最も納税額が低くなるポイントを見付けることが、「法人税」と「所得税」のバランスが取れた賢い節税になります。

・「絶対的節税」と「先延ばし節税」

「絶対的節税」とは、その年と将来の法人税負担および社長の所得税負担を増やさない節税です。「先延ばし節税」とは、その年の税金を将来に先延ばしすることで単年の節税を行うことです。従って、可能であれば「絶対的節税」を実施できるように目指すべきです。

・専門家(税理士)との協力プレー

法人経営を行う場合、時間を割いて自分で経理処理や税務申告を行うということは、得策ではありません。貴重な時間は事業対応に注ぎ込むべきだからです。また自分自身で経理処理、税務申告を行う場合、節税対応や銀行対策のノウハウが無いため、適切な対応が行えない可能性があります。そのため税理士という専門家の力を借りて協力プレーを行うことが、結果として時間とお金の節約を実現することになります。

打ち合わせをしているビジネスマン

2)節税対策の前に!確認すべき3つの項目

【1】個人事業主・法人の節税の違いとは?

・節税観点から見た法人にするメリットとは

個人事業主に比べて法人では様々な節税メリットがあります。法人の場合、経営者への給与や保険等など、経費に認められる範囲が個人事業主よりも広がります。また個人事業主に課せられる所得税よりも、法人税のほうが安いという点も節税効果として挙げられます。

・法人化するベストタイミングとは?

法人化するメリットとしては前述の節税効果が第一に挙げられます。それ以外にも個人事業主にくらべて信用度が高いというメリットもあります。一般的には法人化するベストタイミングは2つあります。一つは、個人事業主の方が税率が高くなってしまう利益が年500万円から600万円を超えるとき。

二つ目は、一定の条件を満たせば消費税の納付が一定期間免除される課税売上高1000万円を超えるときです。この2つのタイミングを見据えていずれかで法人化を検討しましょう。

【2】青色申告であるか

青色申告を行うことによって、大幅な節税ができる可能性があります。そして青色申告を行うためには2つの要件を満たす必要があります。要件の一つ目は、法定の帳簿書類を備え付けて取引きを記録し、その書類を原則7年間保存すること。

要件の二つ目は、税務署に青色申告承認の書類を提出し、予め承認を得ていることです。なお、この「税務署の承認」は却下通知が無い限りは承認されたとみなされることになります。

【3】申告期限の確認

青色申告で法人税の申告を行う場合、決算日後2ヶ月以内が期限となります。これに遅れると無申告加算税が課せられたり、青色申告の承認が取り消されたりする場合がありますので注意が必要です。

3)すぐにでも実際に活用したい具体的な方法14選

【1】根本的な会社の見直し

・決算月の変更による節税

決算月を変更することで節税し易くなるケースがあります。それは売上の大きい月を期首にすることです。これにより、申告時期までに時間があるため、設備投資や広告宣伝費などで利益を相殺し、法人税を減らすことが可能になります。

・資本金額の見直し

資本金を1億円未満にすることで中小企業の扱いになり、所得が年800万円以下の部分については法人税率が軽減されるため節税になります。

【2】在庫の廃棄処分

所得を計算する元となる利益は、「期中売上高-売上原価」の式で計算されます。そして売上原価は「期首在庫+期中仕入-期末在庫」の式で計算されます。つまり期末在庫が多くなると売上原価が少なくなり、結果として利益が多くなり課税額が増えます。そのため不要な在庫がある場合には、廃棄処分し期末在庫を減らすことで利益を減らし、節税することができます。

【3】生命保険

・掛け捨て保険

掛け捨て保険は保険金の全額を損金として計上できるため節税になります。

・返戻金付き生命保険

終身保険では損金算入できませんが、定期保険やがん保険では保険料の全額もしくは1/2を損金算入できるため節税になります。

【4】共済

・セーフティー共済

セーフティー共済は中小企業倒産防止共済とも呼ばれ、1年以上経営をしている中小企業が加入できる公的な共済制度です。掛金の全額を損金算入できるため節税になります。

・小規模企業共済

小規模企業共済は、法人では小規模事業を経営する人が将来事業を辞めた際に退職金を受け取れるように資金を積み立てていく共済制度です。掛金の全額を損金算入できるため節税になります。

【5】赤字の繰越

法人税の額は「青色欠損金の繰越控除」として、前事業年度以前に赤字の事業年度がある場合、当年の利益から差し引いて計算することができます。これは青色申告を行うことが前提となります。法人の場合9年繰越控除ができます。

【6】貸倒引当金

貸倒引当金とは、回収できない見込みの金額を債権の金額から差し引くときに必要な勘定科目のことです。これにより、損金が増えるため節税になります。

【7】退職金控除

退職金は、給与所得とは別の計算で税金が算出されます。課税の元となる金額は1/2されるため税負担が軽くなります。そのため、給与所得として報酬を支払うよりも節税になります。

会計業務

【8】不動産貸付

自社で不動産を所有している場合は、その不動産を貸付けすることで、経費として計上できる対象が増えるため節税となる可能性があります。

【9】固定資産の見直し

・廃棄

不要な固定資産がある場合、その固定資産を廃棄すると、固定資産廃棄損を損金算入できるため節税となります。

・売却

固定資産を売却した場合、売却価額と売却時点の帳簿価額との差額がマイナスである場合、固定資産売却損として計上できるため節税となります。

・除却

固定資産について、耐用年数が到来し償却済の除却することで残存価額又は備忘価額での記載が不要となります。また、耐用年数が到来しておらず償却中のケースでも、固定資産の使用を中止した時点で除却処理が行われます。ただし税務上、固定資産を実際に廃棄した段階でなければ除却損を損金算入できません。なお税務上「有姿除却」という考え方があるため、一定の要件を満たせば除却時損金算入することも可能です。

【10】人材への投資

新規に雇用を増やした場合、雇用促進税制という制度があり節税を行うことができます。これは、適用年度中に雇用者数を5人以上(中小企業等は2人以上)かつ10%以上増加させるなど一定の要件を満たした事業主が、法人税の税額控除の適用が受けられる制度です。雇用者数の増加1人あたり40万円の税額控除が受けられます。

【11】福利厚生費の見直し

従業員のための社宅借り上げや人間ドック費用、通勤手当、などの福利厚生費については一定の割合で給与課税されないため節税になります。

【12】知識への投資・専門性の学習

業務のために必要な研修やセミナー参加費用については給与課税されないため節税になります。

【13】先延ばし節税

・前払いによる節税対策

支払家賃、支払利息、支払保険料等を前払いすることで当年の損金算入できるため、節税になります。ただし、一度前払いを行った場合には、継続して毎期同じ処理を行っていく必要があります。

・売上計上基準の見直し

売上の計上基準には、出荷基準、検収基準、使用収益開始基準、工事進行基準などがあります。それぞれ事業の取引き事情にあった基準を採用することができます。基準によって、売上として計上されるタイミングが異なるため、所得の計算に影響があり、場合によっては節税となります。ただし一度決めた売上計上基準を変更する場合には、税務署に妥当性を説明できる理由が必要となるため、慎重な検討が必要です。

・支出の前倒し

来期に購入しようとしているものを、今期に前倒しで購入し、支出を前倒しすることで今期の所得から差し引くことができるため節税になります。

【14】決算後にできる節税とは

決算期末を過ぎるとお金を動かす節税はできなくなります。それ以外の方法であれば、節税できる方法があります。一つは、未払金や未払費用を計上すると言うものです。もう一つは税務上の特例を活用した節税で宇。例えば、交際費の特例や大型の設備投資があった場合に使える税額控除などです。該当する物が無いか、税理士に確認した上で適用しましょう。

4)そもそもここを押さえておこう!節税対策以前の確認事項

【1】いまある無駄な経費の見直し

事業の利益は「売上-経費」で算出されます。つまり、利益を増やすには売上を上げるか、経費を下げるかのどちらかになります。いまある経費に無駄が無いか見直しをしましょう。無駄な経費を削減することは、財務体質の強化にも繋がります。

【2】未来への投資!お金を活かす活用を

節税は単純に出て行くお金を減らすことが目的ではありません。売上として外部から稼いだお金をいかに効率良く投資して、その投資から未来の売上を作っていくかが事業経営の鍵になります。節税を考える得ると同時に、未来の売上を作るために何にお金を使うべきか、投資先を常に考えて行きましょう。

【3】社内の設備環境の見直しを

事業の適切な経営には、業務の効率的な運用が不可欠です。社内の設備は売上規模や事業の拡大スピードに見合った内容になっていますでしょうか。不十分な設備は、事業拡大の足かせになってしまいます。快適で効率的な事業運営ができる設備を整えるようにしましょう。

【4】会社を守るために賢く節税を

節税の目的は単純に手元にお金を残すことではありません。無駄なキャッシュアウトを防ぐことで、環境の変化があっても対応できる、強い財務体質を作ることが目的です。節税は会社にとってのシェイプアップです。

まとめ

1)法人税は「法人税(法人所得税)」「法人住民税」「法人事業税」の3種類から構成される

2)法人税は法人の規模や年間所得金額によって税率が変わる

3)節税は事業を拡大したり健全に継続したりするために必要なこと

4)事業の利益が利益が年500万円から600万円を超えるタイミングで法人化を検討しよう

5)事業規模によっては資本金1億円以下の中小企業に留まることで税率上のメリットがある

6)節税以外にも企業の財務体質強化を高める取組みを行おう

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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。




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