要チェック!不動産所得で申告できる19種類の経費を解説




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北田豊

北田豊

ファイナンシャルプランナー・AFP・資産形成コンサルタント
外資系金融機関にて7年間勤務。連続年間表彰、上位1%の成績を収めた後、株式会社Bright Reachに副社長として参画、入社後半年以内で、代理店ランキング全国No.1に育て上げる。不動産・保険を活用した、節税・節約・資産形成コンサルタントとして活動。MDRT基準COTホルダー
住宅の模型と電卓

会社の設立などでは、非常に重要なのが「お金」の扱いです。中でも固定資産である不動産関係と、運営に必要な経費は、どのような規模の事業でも必ず必要となり、節税の根本でもあります。

不動産所得と経費について詳しく説明していきます。

要チェック!不動産所得で申告できる19種類の経費を解説

1)そもそも不動産所得における「経費」とは

【1】不動産所得とは

「所得」とは、税制上の名称の一つで課税対象となる権利です。不動産、不動産を基盤にした権利や船舶、航空機などの貸付による所得も、不動産所得と呼びます。不動産とは定着物であり、土地や物権として存在する概念を指します。不動産登記法では建物もそれ自体が別個の不動産とされています。

【2】経費の定義とは

「あることをするために必要となる費用」とされ、税金を支払う事業者が企業活動で発生する金銭の支払いを経費と呼びます。この費用とは企業活動で支払い対象者に対して支払った金額全般で、収益から差し引くことで法人税が算出される場合は、その費用を損金と呼びます。経費には製造費、労務費(人件費)は含まれません。

【3】必ず領収書が必要?申告に必要な条件

所得税法に従えば、確定申告に必要な書類は「証する書類」とされ、領収書の必要は具体的に定めてはいません。従って印紙税法基本通達第17号により、売上代金にかかる金銭の受取書さえあれば、そのまま申告に使用できます。

雑損控除支出証明、医療費領収、社会保険支払証明、民間保険の支払に関しては財務省令で定められた事項を満たす書類であれば使用できます。

【4】不動産所得の計算方法

事業者などの事業総収入金額から、必要経費を差し引くことで不動産所得が求められます。必要経費とは、主に貸付資産に係るもので、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費があります。減価償却費とは、資産の使用可能期間を使用不能となるまでの全期間を、資産所得に要した金額を分割して一定の方法に従い、各年分を配分したものです。

【5】不動産所得の税金の計算式

不動産所得に対し、所得税率をかけて計算されます。所得税率は国税庁「所得額の計算と課税方法」の中の、所得税の税率によって、平成27年分以降は5%から45%まで7段階に区分されています。

【6】不動産所得の計算式

事業運営で得られた総収入金額-必要経費=不動産所得 

2)不動産所得で認められる18種類の経費とは?

【1】各種税金

・不動産取得税

土地や家屋を購入したり、家屋をを建築するなどした不動産所得の際に、登記の有無に関わらず課税される税金です。相続によって所得した場合は課税されません。個人、法人を問わず売買、贈与、交換、新築、増築、改築が含まれます。

・固定資産税

毎年1月1日を賦課期日(課税基準日)とし、現在の土地家屋及び、減価償却資産を固定資産として、その所有者に対して価額を基に算出した税金です。課税するのは、その固定資産が所在する管轄地域の市町村の役所などです。

・事業税

地方税法に基づき、個人、法人を問わずその事業の事業所に対し、事業所の所在する地域管轄の都道府県が課税する地方税です。個人事業税、法人事業税と区分されますが、法令上は同一の税目となります。個人事業とは事業所得が290万円を超える場合です。対象となる事業者が絞られていたり、控除額は所得税とは異なります。

・登録免許税

登録免許税法第一の1号から159号までの法令に従い、不動産権利の登記、船舶の登記、航空機の登記、人の資格の登録または技能証明、特定業務に関する免許、許認可に対して課税されます。一般的に主なものは、「土地所有権の移転登記」、「会社の商業登記」、「個人の商業登記」があります。

・印紙税

印紙税法掲げる20種類の文書の規定に従い、課税物件に該当する必要な書類(課税書類)に対して課される税金です。文書作成時にまでに納付しなければ、過怠税を印紙税額3倍にして追徴課税されます。文書に課税事項の記載と、当事者同士で証明を必要とする文書であること、印紙税非課税文書でないことが条件です。租税公課と同等です。

【2】管理費

集合住宅における施設の共有部分の使用料、役務の提供の対価(管理人費)など、ビルや建物の維持管理に充てられる費用です。それぞれ収受の形態によって、課税・非課税の判定がされます。

【3】賃貸管理代手数料(賃貸管理費手数料)

ビルや集合住宅などで、賃貸管理委託業務や共有部分の管理、居住者向けのサービス提供業務委託に係る費用です。不動産業者が家賃と共に一括収受する場合があります。

【4】修繕費

貸付物件や事業者に提供する建物、建物付属設備、機械装置、車両運搬具、器具備品などの修繕に必要な資産の修繕に必要な費用です。通常の維持管理費や修理(故障や劣化等)は必要経費になります。

修繕費とならないものは、物理的に付け加えた部分の金額、用途変更の模様替え、改造または改装に直接要した金額、機械的な部分を品質や性能を高める意味で取り換えた場合で、通常の性能や品質の金額を超える部分の金額などです。

 資料の説明をしているビジネスマン

【5】損害保険料

事業を運営する場合などで、事業に必要な資産に対し、事故や災害から補償を受けるために契約した保険に対して支払った契約料です。事業主の生命保険は対象外で保険料の消費税区分が非課税となります。

【6】水道光熱費

「用力費」とも呼ばれ、事業運営に必要となる電気利用料、ガス利用料、水道利用料金、燃料費、ボイラー維持管理費などが該当します。これらの設備の修繕は、修繕費として計上します。

【7】通信費

電子通信、郵送費、固定電話、事業で必要な携帯電話通話料などに要した勘定項目です。事業所有の機器に関して適用され、事業で必要であれば有料放送視聴料(NHK等)も含まれます。

【8】旅費交通費

事業運営に必要な公共、民間交通機関利用料、宿泊費、取材費用、出張や研修のための日当や食事代、駐車場利用料、有料道路などの利用料金、従業員の交通費などが対象です。

但し、通勤などに必要とされる通勤手当は、必要とする範囲内のものは、所得税法非課税とされる金額を超えている部分であっても、全額が課税売上から控除される仕入金額(必要経費)となります。

【9】ローン保証料

事業者が倒産や事業継続が困難となった場合に、固定資産及び不動産所得に必要とされた貸付金に対し、債権者が契約した保証会社が代わりに支払う保険の契約費用です。不動産持分として不動産名義を誰が、どのくらいの割合で所有するかを決めておく必要があります。不動産所得に関して、資金提供をしない人が所有者である場合は、贈与税が課税されます。

【10】新聞図書費

事業のう運営に必要な定期購読する書籍や新聞、雑誌、資料などの全ての購読料や購入費用です。経費として計上できます。

【11】接待交際費(交際費)

社内外の取引会議等に支出する費用の事です。事業とは直接関係ない金銭や物品の寄付、取材費、会議に必要な茶菓、弁当などの飲食物許与費用はこれに含まれません。接待に必要な1人5,000円以下の飲食代を含みます。社員の慰安旅行も交際費(仕入税額控除対象)として認められます。

【12】借入金利子

不動産所得に関する金融機関等から貸付金に付与される、信用取引上の債務上の利子のことです。不動産賃貸に関して、運用開始前の期間分借入金利子は、資産の所得価額に含まれます。

【13】外注費

事業者が個人事業主や他事業者と業務請負契約を結んで、自社の業務の一部を外部に委託した場合の費用です。業務への対価であり、給与などの個人向けの報酬支払いとは区別されます。

決められた期日までに取引代金を支払う信用取引上の買掛金なども含まれます。事業上必要な経費にあたり、税理士の依頼費・顧問料なども含まれます。

【14】管理人給与

管理人を個別に雇っている場合は、通常の専従者、従業員給与と同じ経費になりますが、不動産会社などに管理業務委託をした場合は、外注費と同じ業務請負契約に当たりますので、管理費または委託管理費として必要経費となります。

また分譲マンションを購入し、それを区分所有投資として賃貸管理業務を不動産会社に委託する場合も管理費として経費となります。集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定については、国税庁「消費税目次一覧」に詳しい記載があります。

【15】消耗品費

耐用年数が1年未満(耐用年数は年換算の為)や所得価額が30万円未満、10万円以下の支出した消耗品や少額減価償却資産の支出した費用の勘定科目です。

法人税法、所得税法により所得価額10万円未満は、全額を少額減価償却資産として損金あるいは必要経費に算入できます。租税特別措置法により、個人及び中小事業者は30万円未満を少額減価償却資産の即時償却特例として必要経費とできます。

【16】減価償却費

法人、個人事業者で使用される勘定科目で、減価償却資産(建物や自動車など)の所得価額を定められた耐用年数(使用可能期間)の期間に応じて、1年分の費用化として充当した金額のことです。高額であり長期に渡って使用する対象物は一括経費とすることが出来ません。

【17】会議費

社内会議における茶菓や弁当などに類する飲食物を供与するために、通常要する費用のことです。接待交際費の例外処理で、経費精算書等に複数人の名前や人数の記載があれば、会議費として認められます。

【18】広告宣伝費

継続的に配布するパンフレットや名刺、カタログの等の印刷費、または宣伝のために制作したホームページ制作費用、広告掲載料、販促品などに要する費用です。耐用年数が1年未満で所得価額10万円以下は、減価償却資産として計上します。

【19】その他

社内で使う事務用品、商品発送に使う段ボールやガムテープ、発送に必要な費用などは荷造運賃として経費とされます。10万円以下の備品(パソコンなど)は少額減価償却資産として消耗品費として計上します。

確定申告の用紙と電卓

3)不動産所得で経費扱いにならないものとは?

事業者の自宅に関する地震保険料や修繕費、不動産売却した場合の譲渡損、毎月の借入金の内、元本の返済に該当する金額、事業者の事業関連以外の食費や光熱氏、電話代などは必要経費になりません。

不動産売却に関する仲介手数料、測量費などの固定資産及び減価償却資産売却に直接関係する費用、建物取り壊し費用などは、経費とそて計上できます。

4)法人化にするメリットとは?

第一に、取引先事業規模が自社より大きい場合などは、信頼度が高く大きな取引をすることが可能です。それにより事業収入を拡大し、事業資産を増やす可能性も高くなります。

所得が高ければ法人税の方が節税になり、事業主自身の給与に所得控除が受けられるようになります。適正額までは退職金を損金と出来るので、福利厚生として雇用の信頼性が上がります。また決算日を自由に設定でき、経営者とその家族が社会保険に加入できるのがメリットになるでしょう。

【1】「個人事業主」と「法人」の違い

一番の違いは開業スピードで、個人事業主は開業届を提出するか、事業所所得で確定申告するだけで会社を設立できます。一方の法人は事業の赤字を個人事業主の3年繰り越しまでという制限を受けないため、事業の建てなおし期間を9年有することが可能です。

個人事業主は経費として認められる範囲が狭く、法人は経費の幅が広い代わりに、事業が赤字でも法人税は均等割7万円です。法人はまた決算書と申告には財務処理で税理士などの専門家に依頼し、費用がかかる場合があります。

【2】法人化するベストタイミングとは

一般的には純利が500万円を超えるか、課税売上高が1,000万円を超える場合ですが、借入金が2年でキャッシュフローとした場合、元本よりプラスに転じて次の年度を迎えた時がベストタイミングでしょう。資本金が多くとも、借入金が高ければリスクの方が大きいからです。売上高1,000万円を超えた年の2年後には、消費税の納税が必要となるため、それが目安となるでしょう。

【3】法人化する場合の流れとは

固定資産や現金以外の株式などの資産を持って、株式会社として設立するのがセオリーとなっています。株主として個人事業者が新会社に投資する形で、創業者として会社設立の企画、立案の発起人となります。通常は発起人が代表取締役となり、個人事業主の資産と負債を新会社に引き継ぐ手続きを行います。

この時、財産目録、事業譲渡契約書、株主総会議事録などの書類作成も同時に行います。次に取引先事業者に契約社名の名義変更を行います。預金通帳、顧客と取引先への案内、事務所や減価償却資産、固定資産などの名義変更、融資などの名義変更などです。

これらの準備が終ったら、事業を展開する地域管轄の税務事務所などに、法人設立届書など申請書類を提出します。許認可申請が必要な場合は、警察や保健所などの管轄監督庁に許認可申請、および届け出を行います。法人化した後は、事業所得と個人所得を明確に切り分ける必要があります。

5)不動産所得の確定申告について

不動産所得とは、固定資産に該当する土地、建物などの権利所有者が、権利を権利者以外に貸付を行った際に受け取る権利金や賃貸料の所得を指します。つまり収入の一つです。

【1】確定申告は必要?

不動産所有によって、その管理維持費や現状維持、あるいは原状回復費用や運営費などの経費が掛かった場合、収入から経費を差し引くと赤字となるケースがあります。例えばマンションなどの区分所有投資などでは、個人の給与所得と不動産所得を損益換算として確定申告で赤字を相殺できます。

極めて小さな投資事業などは、確定申告の方が有利な場合があります。会社員などの雇用者で副業の収入が20万円以下は、確定申告の必要はありません。不動産譲渡所得などがある場合で、所得控除を差し引いて所得金額に税率を乗じ、配当控除額を差し引いた時に残額がある場合は確定申告が必要です。

【2】青色申告のメリットとは

個人事業主の確定申告では、経費の区分によって課税所得の額が変わりますが、青色申告は必要経費の科目数が白色申告より幅が広く、課税所得から控除される金額が増えるメリットがあります。

特別控除などが受けられ税制面でもいろいろと有利です。不動産所得を青色申告にするためには、記帳方法や規模などの条件がありますが、ぜひとも節税効果大の青色申告がオススメです。

【3】確定申告のステップと概要

確定申告の提出期間は、毎年2月上旬から3月中旬となっています。納税の必要がある場合で納付期限までに税金を納めなかった場合は、滞納税がかかってしまいますので、注意しましょう。

収入が第3者から見て明確にわかる資料、請求書、事業用の当座預金と普通口座預金の通帳などや、収入の支払元からの源泉徴収票などを用意します。賃貸収入などでは、年間の振込額の書類などです。

経費は領収書の他に、クレジットカード明細や、金融機関口座を通帳を使って振り込めば氏名、事業者名が記載されるので、経費書類として提出できます。次に所得控除対象額がわかる各種証明書を用意し、確定申告書類に記載するか、ネットを使って申請する流れになります。

まとめ

1)不動産所得は、減価償却資産と固定資産の2つで切り分けるとわかりやすい

2)経費を削減するには、削るだけではなく、何を経費として計上出来るかでも変わってくる

3)法人化するには、経費と不動産所得の2つが複雑になった時にメリットが多くある

4)資産を増やすには、必要経費を正確に把握して上手に節税すること

5)勘定科目と税制上の呼び名は異なる場合がある

6)一般会社員の所得控除が、会社運営では必要経費という考え方

7)会社運営には、資産と経費、納税が事業者の義務になる

8)簿記や会計の知識を得ると、経営方針や売り上げ目標が立てやすくなる

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ファイナンシャルプランナー・AFP・資産形成コンサルタント
外資系金融機関にて7年間勤務。連続年間表彰、上位1%の成績を収めた後、株式会社Bright Reachに副社長として参画、入社後半年以内で、代理店ランキング全国No.1に育て上げる。不動産・保険を活用した、節税・節約・資産形成コンサルタントとして活動。MDRT基準COTホルダー




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