【カンタン解説】不動産投資が節税になる4大ケースと注意点




The following two tabs change content below.
志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。
説明をしているビジネスウーマン

不動産投資で税金対策や節税ができる、という話を聞いたことはありませんか?確かに節税は可能ですが、安易な節税目的の不動産投資は失敗の元。

不動産投資で効果的に節税を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。それらを詳しくご説明します。

1)そもそも不動産投資とは?

【1】 不動産投資とは

不動産投資とは、「所有している不動産を誰かに貸すことで収益を得る」方法です。株式投資など金銭のみの投資と違い、経営の要素も含んでいます。

「マンションの1室を所有し誰かに貸す(ワンルームマンション投資)」ことから、戸建てや、アパート・マンション一棟丸ごと所有し運営するものまで、その規模はさまざまです。また、投資物件が新築か中古かという違いもあります。

【2】マンション経営・アパート経営の違いとは?

・アパート経営とは

アパートとは、主に木造や、軽量鉄骨造(プレハブ工法)の建物で、比較的、部屋数が少ない建物です。アパート経営とは、1棟丸ごと所有し、各部屋を貸す形態です。そのため、アパート全体の土地建物を購入するための、ある程度まとまった資産が最初に必要となります。

・マンション経営とは

マンションは、鉄骨コンクリート造(RC)などで、一般的にアパートよりも大型の共同住宅(集合住宅)です。1部屋だけの所有からできるので少額の自己資金で始められます。そのため、アパート経営に比べて、不動産投資初心者でも比較的取り組みやすいと言えます。

【3】 不動産投資と税金の関係性とは?

サラリーマンの場合、不動産投資を上手に活用すれば、給与所得に対する課税までも低い水準に抑えることができます。それが不動産投資による節税の大きなメリットです。また、法人では法人税の節税になりますし、方法によっては消費税の節税にもなります。また、相続税対策としても、節税効果があります。

2)不動産投資が節税になるメカニズムとは?

【1】 不動産投資はなぜ節税につながる?

不動産投資で節税ができている状態というのは、その不動産を所有することで税務上赤字が発生している状態のことです。所得税と住民税の課税額は、給与所得とその他の所得すべてを合算した金額を基準に決まります。

不動産投資での所得が赤字で計上されていれば、その分課税基準となる金額が少なくなるのです。ポイントは、計算上は赤字だが、実際に手元に残る現金は増える、という状態にすることです。

【2】節税につながるケース・節税につながらないケースの違いとは?

・計算上赤字になっていない

逆に、収益が上がっていればその分の税金を払わなければいけないので、節税にはなりません。ただし、投資の目的は、不動産を所有すること自体ではなく、不動産によって資産を増やすことですので、節税にはなっていないが、不動産投資の経営はうまくいっている、とも言えます。

・確定申告の方法

確定申告を行わなければ税金の還付はありませんので、節税にはなりません。その際に、白色申告でも経費の計上は可能ですが、青色申告の複式簿記での申告であれば65万円の青色特別控除が適用されますので、節税効果は申告方法によって大きく差が出ると言えます。

ただし、青色申告には事前の申請手続きが必要ですし、特別控除を受けるためには節税効果が大きいものほど、要件が厳しく、手続きも難しいので注意が必要です。

確定申告

3)状況別に解説!不動産投資の4つの目的による節税の違いとは?

【1】所得税

・個人の場合

サラリーマンなど家賃収入以外にメインの収入がある方の場合、家賃収入から、諸経費を引いた金額がマイナスになると、給与収入から不動産投資でのマイナス分が差し引かれ、その残りが課税対象となります。

そのため、給与収入だけの時に比べて、所得が少なく見えるため、所得税も少なくなります。また、住民税も、所得税額が減ると、連動して住民税も下がります。

・法人の場合

個人の所得税は累進課税ですので、収入が上がれば上がるほど税金もかかります。所得が1800万円を超えると課税率は50%にのぼります。

しかし、法人であれば、800万円以上は38%で、それ以上は上がりませんので、所得が大きくなればなるほど個人で税金を納めるより法人化した方が節税効果が大きいということになります。また、家族を役員にしておけば、給料(役員報酬)の支払いが経費扱いとなりますし、所得が分散され、各々の税率が低くなりますので、こちらも節税効果大です。

【2】相続税

・個人の場合

不動産を所有している人が亡くなった場合、相続税の計算基準になる金額は、その時の実売価格ではなく、固定資産評価額です。そのため、同じ金額の資産であっても、不動産であれば、預金等で保有している場合(実売価格)に比べ、3分の1程度に圧縮することができるので、その分かかる相続税も圧縮することができるのです。

・法人の場合

不動産所有者を法人名義にしておくことで、法人代表者が死亡したとしても、相続時に、相続税がかからないというメリットがあります。

4)結論どんな状況であれば節税が期待できる?

【1】個人の場合

給与所得や年金などの固定収入がある人にとっては、所得税と住民税を減額することができ、不動産の所有者がなくなったときには、相続税を圧縮する効果があります。

【2】法人の場合

法人が不動産の所有者になることで、税金の種類が法人税となるため、低い税率で抑えられます。確定申告に際しても、個人所有に比べ減税につながる特典が多くあります。また、法人代表者がなくなっても相続の対象とならないため、相続税が発生しません。

5)知っておきたい減価償却のこと!3つのケースとその違い

不動産投資では、実際の現金支出が発生しない計算上のマイナス要素が存在します。それが「減価償却費」です。減価償却費とは、建物に対し、計算上毎年減っていく資産価値のこと。所有物件の耐用年数期間中、毎年経費として計上することができます。ここではおおまかな計算方法をご紹介します。

【1】ケース1:木造

新築の住宅用建物で木造の場合、耐用年数、つまり減価償却費を計上できる期間は22年です。例えば、建物部分の金額が2000万円の新築物件を取得した場合、定額法償却率は0.046なので、毎年92万円を22年間経費として計上することができます。

2000万円×定額法償却率0.046=92万円

【2】ケース2:重量鉄骨

重量鉄骨造の場合、耐用年数は34年間ですので、同じく新築で2000万円の物件であれば60万円が減価償却費です。

2000万円×定額法償却率0.030=60万円

【3】ケース3:鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート造(RC)の場合、耐用年数は47年間ですので、同じく新築で2000万円の物件であれば44万円が減価償却費となります。

2000万円×定額法償却率0.022=44万円

グラフやデータのイメージ

6)ここに注意!不動産投資で節税が失敗しかねない4つの状況

【1】 固定資産税・不動産取得税がかかる

当然ながら、不動産を購入すると不動産取得税がかかり、毎年固定資産税がかかり続けるという点に注意が必要です。

いかに所得税や住民税が減額になっても、固定資産税は、税務上赤字によって安くなることはありませんので、直接的に節税対象にはなりません。ただし、これらの税金は、経費として計上することができます。

【2】実際に赤字が発生してしまう

中古マンションなどを購入した場合、リフォーム代や毎月の修繕費などに思いのほかお金がかかってしまい、計算上の赤字にとどまらず、本当に赤字状態になってしまうケース。家賃収入より支払うべき住宅ローンが高額になってしまっては本末転倒です。不動産投資には維持費の存在も見逃せません。

【3】 減価償却費のデッドクロス

先ほど述べたように減価償却費を計上する際の耐用年数が決まっているため、耐用年数を超えると経費として計上できなくなります。

また、ローンを組んでいる場合には、購入当初は元金より利息を多く払っているため経費として計上できる金額が大きいのですが、時間の経過とともに返済額に占める元金に割合が上がってきますので、経費として計上できる金額がどんどん減っていきます。

そのため、支払いに必要な金額は同じなのに、差し引ける経費が減り、節税効果が薄れてくるのです。なお、いずれ減価償却費と返済元金の支払額が逆転するときが来ます。それがデッドクロスと呼ばれています。

【4】 次の融資が受けられない

節税効果にこだわりすぎると、見かけ上は赤字状態が何年も続くことになります。不動産投資を拡大していこうと考えるのであれば、次に得たい優良物件を見つけても、何年も赤字続きだとローンがおりない可能性があります。

また、同様に、先に不動産投資を始めたあとに、自分が住むための不動産を購入しようとした際に、住宅ローンの審査が通らなかったり、金利が高いローンしか組めないという可能性もありますので、赤字状態にこだわりすぎることは良いことばかりとは言えません。

7)不動産投資で節税を成功させるための3種類のポイント

【1】 青色申告をする

青色申告特別控除の基準を満たさない場合でも、青色申告をすることで10万円の控除が受けられます。法人化するほどの規模ではないからといって白色申告ではもったいないです。不動産投資をするなら、ぜひ、青色申告をしましょう。

【2】 節税にこだわり過ぎない

節税効果を最大限にしたいというのに、節税にこだわり過ぎないとは相反するようですが、経費を多く計上しようとしすぎて実際に赤字になってしまったり、脱税まがいの節税で税務署に入られ追徴課税を受けると本末転倒です。不動産投資はギャンブルではありませんので、目先の節税にとらわれず長い目で見る事が必要です。

【3】税理士に希望を伝える

青色申告を税理士に依頼するとき、税理士によっては、どこまでを経費に含めるかの考え方が違います。間違いなく経費として認められるものだけを計上するのか、グレーなものも含めるか、含めるとしたらどの程度か、という問題が出てきます。

また、設備などの経費も初年度にできる限り多く申告するのか、細く長く申告するのか、ということも、不動産の所有者の希望をはっきりさせておく必要があります。依頼者である不動産の持ち主の希望と、税理士の方針が一致するように、税理士を選びましょう。

まとめ

いかがでしたか。当たり前ですが不動産を持っただけでは、投資とは言えません。借り手がつかないと収益にはなりませんので、不動産を取得する前に、その物件が収益物件としての見込みがあるかどうかをしっかり確認することが肝心です。

また、個人として不動産を所有するのか、法人化するのか、確定申告をどのような方法で行うのかによって、減税効果が変わってきます。不動産そのものについてだけでなく、納税の方法、確定申告の方法についても、事前にしっかり把握をして、不動産投資で節税を成功させましょう。

The following two tabs change content below.
志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。




無料相談実施中!

【費用】無料

【内容】当メディアの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には、専門家にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お金を「稼ぐ」「貯める」「増やす」「守る」「遺す」の5つのステージから考える弊社独自のノウハウは、現在まで【1000名】を超える方々から支持されています。

小さな疑問から、まずはお気軽に「株式会社ブライトリーチ」までお問い合わせください