住宅ローン減税(控除)を正しく行う手続きの3つのSTEP




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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。
住宅の模型と男女

人生で1、2番目に大きな買い物である住宅購入は、借り入れるローンの金額も大きくなります。住宅ローン減税という制度を最大限することで、年間数十万単位で税金の控除が受けられます。

住宅ローン減税の仕組みと、申請手続きの方法についてご紹介します。

住宅ローン減税(控除)を正しく行う手続きの3つのSTEP

1)「住宅ローン減税(控除)」とは?

住宅ローン減税は、住宅ローン控除とも呼ばれていて、正式には「住宅借入金等等区別控除」と言います。マイホームを買った人がローンを組んだ時の、金利負担を軽くするために作られた制度です。条件に合っていれば、所得税額から一定の額が控除されて、返金される仕組みになっています。

住宅ローン減税の内容と、控除を受けるために必要な条件を、詳しく見ていきましょう。

【1】住宅ローン減税とは

夢のマイホームを買うときに組む数十年単位の住宅ローンは、金利の額だけでも大きくなります。その金利の部分の負担を減らし、住宅購入を少しでも多くの人に可能にするための制度が、住宅ローン減税です。新築、中古に関わらずマイホームを購入した時、または所定の条件を満たすリフォームをした際に、確定申告をして控除額を返金してもらえる制度になっています。

住宅ローン減税は、月々のローンの支払額が所得税控除の対象になるわけではなく、所得税・住民税の一部から控除される仕組みです。すでにマイホームを購入して住んでいる人でも、5年以内であれば修正申告をして、返金を受けることが可能です。

【2】住宅ローン減税の概要

控除の詳細は、その家に住み始めた年月によって変わってきます。これから購入予定の人は、平成33年(2021年)12月までの内容が発表されています。

控除額は、「控除限度額」、「控除率」か「所得税+住民税(所得税は上限なし、住民税は上限7%)」の3つの中で、最も低い金額となります。住宅ローン控除可能額が所得税より多い場合には、翌年の住民税分から控除されます。

以下が現在の内容となっており、「一般住宅」と「認定住宅」で条件が違います。

住宅ローン控除

「認定住宅」とは、「認定長期優良住宅」と「認定低炭素住宅」の事で、それぞれ認定の基準が決められています。

・認定長期優良住宅

劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画の基準を満たした住宅の事です。

・認定低炭素住宅

一次エネルギー消費量が一定基準を満たしている事、家庭エネルギー管理システムの導入、節水対策、木材の利用、ヒートアイランド対策、CO2削減の措置対策などをしている住宅の事です。

【3】制度の改正があった?

住宅ローン減税制度は平成26年4月からの消費税率の引上げに伴って、改正されました。

【4】控除の対象となる3つの物件タイプ

住宅ローン減税制度の控除対象となるのは、住民票の住所で、マイホームであることが必須条件となります。対象となるのは新築住宅、中古住宅の一部とリフォームする物件です。それぞれ一定の条件を満たす必要があるので、見ていきましょう。

2)住宅ローン控除を受けるための該当条件をチェック

控除を申請する人は、次の条件をすべて全部満たしている必要があります。

【1】返済期間

返済期間が10年以上の住宅ローンで、銀行などの金融機関から借りていること。勤務先から借りているローンの場合は、0.2%以上の金利であること。家族や親類、知り合いから借りる場合は対象になりません。

【2】住む期間の条件

住宅を取得した日から6カ月以内に住み始め、住宅ローン控除を申請する年の12月31日まで、住み続けている事。

【3】所得の条件

控除を受ける人のその年の所得金額が、3千万円以下であること。

【4】特例の条件

住み始めた年とその前後2年の合計5年間に「長期譲渡所得課税」の特例などを受けていないこと。

3)控除を受ける条件に住宅も関係ある?3タイプ別の条件とは

ここからは各住居タイプに必要な条件を見ていきましょう。

【1】新築住宅

ローンを組んだ自宅が新築住宅の場合の控除申請条件は、以下のとおりです。

・登記簿に登録されている住宅の床面積が、50㎡以上であること。マンションの場合は、専有部分の床面積が50㎡以上であること条件です。

・床面積の半分以上を、自宅用に使っていること。

【2】中古住宅

すべての中古住宅が、住宅ローン減税の対象となるわけではありません。新築住宅と同じすべての条件をみたし、それに加えて、耐震性能があることを証明できた中古住宅のみが、対象となります。

[新築住宅と同じ条件]

・登記簿に登録されている住宅の床面積が、50㎡以上であること。マンションの場合は、専有部分の床面積が50㎡以上であること条件です。

・床面積の半分以上を、自宅用に使っていること。

[中古住宅の耐震性能を証明する条件]

・木造住宅なら築20年以内であること

または

・鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート造は築25年以内の物件であること

または

・耐震基準適合証明書が取れる物件であること

または

・既存住宅性能評価で耐震等級1以上が確認された物件であること

または

・既存住宅売買瑕疵保険に加入できる物件であること

【3】リフォーム住宅

増築や修繕、耐震のための改修工事、省エネ・バリアフリーのためのリフォームなども、100万円以上の工事費の場合は、住宅ローン減税の対象となります。

省エネやバリアフリーのためのリフォームの際は、リフォーム減税が住宅ローン減税のどちらかを申請することができます。控除額が違うので、申請の際にはどちらの方が減税効果が高いかを比べましょう。リフォームで住宅ローン控除を受ける際は、以下の条件を満たす必要があります。

・登記簿に登録されている住宅の床面積が、50㎡以上であること。マンションの場合は、専有部分の床面積が50㎡以上であること条件です。

・床面積の半分以上を、自宅用に使っていること。

・マイホームのリフォームであること

・リフォームの費用が100万円を超えていること

・リフォームの目的が省エネ、バリアフリーか耐震であること、または大規模な間取り変更や修繕であること

・店舗併用住宅などの場合、リフォーム費用が半分以上が居住スペース用であること

ビジネスウーマン

3) 住宅ローン減税の5つのメリットとは?

住宅ローン減税を利用することで、以下のようなメリットがあります。

【1】夫婦別々にローンを借りている場合、両方が控除を受けることができます。

【2】新築住宅購入の場合、9割以上の人が控除を受けられる可能性があります。

【3】修正申告を5年前までさかのぼって申請できます。

【4】申告を行うことで、年間数十万単位で税金の還元を受けられる可能性があります。

【5】会社員や公務員など給与所得者は、2年目からは勤務先が年末調整として行ってくれます。

4)シミュレーション!どんな減税効果がある?

住宅ローン減税の返金額は、以下の算出方法で計算できます。実際にいくら税金が戻ってくる可能性があるか、具体的な例を使ってシュミレーションしてみましょう。

【1】住宅ローン控除の算出方法

1.住宅ローン控除対象額は、住宅ローンの年末残高に1%をかけた金額です。ローンを借りている金融機関から発行される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」で、正確な残高を確認しましょう。

2.1で算出した控除対象額から、所得税を引きます。

3.所得税を引いた後の住宅ローン控除対象額から、「源泉徴収票」の住民税額を引きます。

4.住民税からの控除は13、65万円までと決まっているので、控除しきれない分は、翌年度分の住民税から相殺されます。

【2】内訳

以下の設定でシュミレーションでしてみましょう。

所得年収:600万(所得税額約16万円、住民税額約27万円と仮定します)

ローン残高:3,500万円(固定金利1.0%、30年返済)

【3】シュミレーション

1.控除額の上限は、ローン残高3500万円×1%=35万円となります。

2.所得税額が約16万円として、所得税分からは全額が控除されます。

3.控除しきれていない35万円-16万円=19万円を、住民税から控除します。

4.住民税からの控除上限額は課税所得の7%、または13万6500円のうちの少ない方です。この場合13万6500円の方が少なく、控除されると仮定しましょう。

5.所得税分からの控除と住民税分からの控除を合わせると、約29万6500円となります。この金額と控除上限額35万円を比べて、少ない方が適用されるので、29万6500円が返金金額となります。

5)実際にどうやって申請する?住宅ローン減税の手続き方法

住宅ローン控除は、確定申告を通して行います。マイホームを購入した翌年確定申告期間中に、必要書類をそろえて税務署へ提出します。以下の方法で申請します。

【1】STEP1:申請条件をチェック

マイホームを購入した人は、申請条件を確認して住宅ローン控除が受けられるかどうかを確認します。5年以内にさかのぼって申請をすることもできます。

【2】STEP2:申請書類の取得

申請に必要な、以下の書類を集めます。書類の種類が多いので、期間に余裕をもたせて準備をしましょう。必要な書類は以下の通りです。

住宅ローン減税の必要書類

【3】STEP3:確定申告をする

通常の確定申告期間は通常2月16日から3月15日ですが、還付を目的とする確定申告は、1月4日から行えます。ですから住宅ローン減税を受けるために確定申告をする場合は、1月4日から3月15日が期限となります。

確定申告期間は開始日・締切日が土日に当たると、前後する年もあります。通常は申告後1か月から1か月半ほどで、指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。

6)住宅ローン減税で知っておきたい注意点5つ

住宅ローン減税による控除を申請する際は、以下のことに注意しましょう。

【1】限度額

住民税控除額は136,500円が上限となっています。控除しきれない分は翌年に持ち越されます。

【2】個人単位での申請

申請は、住宅ローンを借入れた人が個人単位で申請します。共働きで夫婦2人がローンを借りている場合、2人とも申請する必要があります。

【3】リフォームの場合

省エネやバリアフリーのためのリフォームの場合、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という減税制度を利用した方が、大きな控除を受けられる場合もあります。

【4】併用不可

住宅ローン控除と特定増改築等住宅借入金等特別控除は併用できません。

【5】別荘は不可

控除申請をするローンの対象物件がマイホームかどうかは、住民票によって確認します。ですから別荘などの場合は自分のための物件であっても、減税は受けられません。

まとめ

1)住宅ローン控除は、所得税・住民税の一部から一定金額が控除されます

2)住宅ローン控除は世帯ごとではなく、個人で受けられます

3)住民税控除額は136,500円が上限となっています

4)一般住宅と認定住宅では控除額などが違います

5)すべての中古住宅が対象となるわけではないので、耐震条件を確認しましょう

6)リフォームで申請する場合は、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」と減税の額を比べて、お得な方を申請しましょう

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志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。




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