【節税対策】個人事業主の消費税まとめ!3種類の届け出書類




The following two tabs change content below.
志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。
電卓を持っているビジネスウーマン

一般消費者にとっての消費税は、買い物など消費活動を行う際に払う8%の税金です。ですが個人事業主にとっての消費税は、少し意味が違ってきます。

消費税をよく理解することで、事業にも一段と有利な節税対策が行えます。詳しい仕組みを見ていきましょう。 

1)個人事業主と消費税の関係とは? 

個人事業主にとって消費税とはどのようなものでしょう。あなたが事業主として行っている事業に、一般消費者が消費税込みの対価を払います。

事業主はその消費税を消費者から「預かり」、決まった時期に申告して税務署に納税します。そして事業主も消費者です。事業の仕入れや設備投資の際に、消費税を「支払い」ます。事業主にとっての消費税とは、「預かる」税と「支払う」税という2通りの側面があるのです。 

【1】個人事業主の人は全て消費税を納めるべき? 

・消費税とは? 

消費税の定義は「消費一般に対して発生する間接税」で、取引の各段階で8%が課税されます。内訳は6.3%が国税、1.7%が地方消費税となっています。個人事業者にとっての消費税とは、消費者から預かった消費税を代理申告・納税するということです。 

・消費税が課税となる取引 

「国内において対価を得て行う取引」全般に、消費税が課税されます。例えばサービス、商品や製品の販売、事業用設備や商標権の売却などです。 

・消費税が非課税となる取引 

消費税が掛からない取引もあります。国外取引、贈与や寄付、切手や銀行利息、医療や葬儀関係のサービスなどです。ごく一部の例ですが、これらには消費税は課税されません。 

【2】課税事業者・免税事業者とは? 

・課税事業者とは? 

消費税が課税される課税売上高が1,000万円を超えると、その翌々年度は課税事業者となります。すると消費税を納める義務が発生します。例えば2018年の課税売上高が1,000万円を超えると、2020年に課税事業者となることが決まります。 

この義務は毎年課税売上高を申告するたびに見直されます。課税売上高が1,000万円以下になった場合には、翌々年は免税事業者になります。 

・免税事業者とは? 

免税事業者とは、消費税を納付する義務がない事業者のことです。個人事業を開業してから2年間は、免税事業者として扱われます。その間は消費税の納税は免除されます。事業を通じて一般消費者から「預かった」消費税を、納付する義務がないということです。 

事業を始めて2年以上経過している場合でも、前々年の課税売上高が1,000万円を超えていなければ、免税事業者となります。ただしその場合でも、特定期間と呼ばれる「前年の1月1日から6月30日」に、課税売上高が1,000万を超えて、かつ給与等の支払金額も1,000万円を超えた場合には、 翌年に課税事業者となります。

個人事業主本人に給与支払概念はありません。ですから1人で事業運営している個人事業主は、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合でも、給与の支払い額は0円となり、免税事業者となることができます。 

・消費税の請求が可能か 

免税事業者も、消費税の請求を消費者にできます。これは「益税問題」とも呼ばれています。消費税分も所得税がかかりますが、それ以外は、納付義務がないので事業主の利益となります。 

【3】中間申告・中間納付の制度とは? 

中間申告とは、確定申告のように消費税を納税するため納税制度の1つです。前年の納税額に応じて、年度の途中に1回から11回の納税申告をする義務が発生します。 回数と納税金額の目安は以下のようになっています。 

・前年度の消費税納税額が48万円超400万円以下の場合 

申告回数:1回 

申告期間:年度開始から6ヶ月 

中間納税額:前年度の消費税額の2分の1 

・前年度の消費税納税額が400万円超4,800万円以下の場合 

申告回数:年3回 

申告期間:年度開始から3ヶ月ごと 

中間納税額:前年度の消費税額の4分の1 

・前年度の消費税納税額が4,800万円超の場合 

申告回数:年11回 

申告期間:年度開始から1ヶ月ごと 

中間納税額:前年度の消費税額の12分の1 

・前年度の消費税納税額が48万円以下 

不要ですが自主申請することも可

2)知っておこう!2種類の消費税の計算方法 

消費税の計算方法には2種類あります。原則課税と簡易課税です。違いを見ていきましょう。 

【1】原則課税(一般課税)とは 

・原則課税とは? 

個人事業主は事業を通じて、消費者から消費税を「預かり」ます。事業主もまた、仕入れや経費等で、自分も消費税を誰かに「支払い=預け」ます。「預かった」消費税から「支払った」消費税を差し引くのが原則課税の方法です。 事業主が設備投資などで多額の消費税を払い、「預かった」消費税額を上回った場合には、超えた金額は還元されることになっています。 

・消費税の計算式 

基本の計算式は以下です。 

「課税売上に係る消費税額」-「課税仕入に係る消費税額」=「納付する消費税額」 

例えば税込108円で仕入れたノートを、税込み216円で売ったとします。16円は「預かった」消費税で、8円は「支払った」消費税です。ですから税務署には16―8=8円を支払う義務が発生します。 

ただし原則課税方式は「課税売上割合」によって、計算方法がさらに細かく分かれます。なぜなら、消費税は消費活動の各段階で課税される方式ですが、例えば一部に非課税の消費活動が含まれる場合もあるからです。 この「課税売上割合」が95%以上か未満かによって、調整計算の必要が発生します。計算方式は「個別対応方式」と「一括比例配分方式」とに分かれます。 

【2】簡易課税制度とは 

・簡易課税制度とは? 

複雑に分かれる原則課税は計算に手間がかかるため、手間を省いて簡素化したのが簡易課税です。「預かった」消費税に「一定率」をかけて算出した金額を、「支払った」消費税と「みなす」方法です。この「一定率」は「みなし仕入れ率」とも呼ばれています。 みなし仕入れ率は、事業の種類で6段階に分かれています。 

卸売業:90% 

小売業:80% 

製造業等:70% 

その他の事業:60% 

サービス業等:50% 

不動産賃貸業:40%

簡易課税方式は、基準期間の課税売上高5,000万円以下の中小事業者にのみ認められています。そして事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出して、申請する必要があります。一旦申請すると、2年間は必ず適用しなければなりません。やめる場合には、「消費税簡易課税制度不適用届出書」を提出します。 

・消費税の計算式 

簡易課税の消費税計算方法は、以下の通りです。 

「課税売上に係る消費税額」-「課税売上に係る消費税額」×「みなし仕入れ率」=「納付する消費税額」 

【3】それぞれの考え方・使い分けとは 

基準期間の課税売上高が5,000万円以下であれば、簡易課税か原則課税かを選択できます。事業主がよりメリットがある方を選べるということです。 選択する際には事業区分、2年間分の設備投資計画などを考慮する必要があります。 

例えば設備投資で多額の経費を投入すると、その分は課税仕入れとなります。その場合には原則課税の方がメリットがあるかも知れません。 選択を間違えると税負担が増える場合もあるので注意しましょう。

電卓を使って計算をしているビジネスマン 

3)納めるのに必要な3種類の届け出書類 

個人事業主が課税事業者か非課税事業者となるかは、基準期間の課税売上高などによって変わります。その際に必要な書類は、主に次の3種類となります。 

【1】消費税課税事業者届出書 

課税売上高が基準期間に1,000万円を超えた場合、原則として翌々年は消費税の課税事業者になります。その際に提出するのがこの「消費税課税事業者届出書」です。届け出期間は特に設定されていませんが、分かり次第速やかに届け出る事が原則になっています。 

・基準期間用 

基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者となります。その場合には、基準期間用の消費税課税事業者届出書を使います。 

・特定期間用 

基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合と、給与等支払額の合計額で課税事業者と判断された場合には、こちらの特定期間用の届出書を使います。 

【2】消費税課税事業者洗濯届出書 

免税事業者であっても課税事業者を選択した方が、節税対策になる場合もあります。その際には、「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要になります。この選択をした場合、最低2年間継続して適用することが必要です。選択を取りやめるには、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出します。 

【3】消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書 

それまで基準期間の課税売上高が1,000万円以上だった課税事業者が、基準期間における課税売上高が1,000万円以下になると、免税事業者となります。その際にはこの届出書を提出します。そうすると原則として翌々年は、消費税の納税義務を免除されることとなります。

まとめ

1)課税事業者と免税事業者の違いを理解しましょう 

2)事業の中間申告の回数と金額を確認しましょう 

3)原則課税か簡易課税かの選択は慎重に行いましょう 

4)簡易課税を選択する場合は申請を忘れず行いましょう 

The following two tabs change content below.
志賀 公斗

志賀 公斗

早稲田大学法学部卒。会計事務所勤務を経て志賀公斗税理士事務所を東京で開業。不動産投資・相続に関する節税業務に特化した税理士事務所を運営。著書に『はじめての不動産投資完全負けナシバイブル』『不動産投資でガッチリお金を残す節税のツボ』などがある。




無料相談実施中!

【費用】無料

【内容】当メディアの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には、専門家にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お金を「稼ぐ」「貯める」「増やす」「守る」「遺す」の5つのステージから考える弊社独自のノウハウは、現在まで【1000名】を超える方々から支持されています。

小さな疑問から、まずはお気軽に「株式会社ブライトリーチ」までお問い合わせください