【年金UP】個人事業主が知っておきたい5種類の年金対策




The following two tabs change content below.
北田豊

北田豊

ファイナンシャルプランナー・AFP・資産形成コンサルタント
外資系金融機関にて7年間勤務。連続年間表彰、上位1%の成績を収めた後、株式会社Bright Reachに副社長として参画、入社後半年以内で、代理店ランキング全国No.1に育て上げる。不動産・保険を活用した、節税・節約・資産形成コンサルタントとして活動。MDRT基準COTホルダー
パソコンで作業をしているビジネスマン

個人事業主は国民年金以外の老後資金をいかに増やせるかが、第2の人生の豊かさを左右します。公的年金制度に不安がかげる現代日本では、任意加入の様々な年金商品が出ています。

老後資金を増やす最善の対策が取れるよう、それぞれの特徴を見ていきましょう。 

【年金UP】個人事業主が知っておきたい5種類の年金対策

1)そもそも年金とは? 

「歳を重ねる事」「何らかの障害を抱える事」「死亡した場合の遺族への保障」は、人生の3大リスクと呼ばれています。年金はそのリスクが起こった場合の資金になるもので、公的年金は必要最低限備えられるように、国が公的制度として運営しています。公的年金は死亡するまでずっと受給することができる、長寿社会の日本にはなくてはならない制度です。 

【1】年金はどんな仕組み? 

日本の年金は、次の3層設定になっています。 1層目は基礎年金、または国民年金と呼ばれていてます。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての国民が加入しています。職業によって次の3区分に分類されています。 

・自営業などの個人事業主/アルバイト生は第1被保険者 

・会社員と公務員は第2被保険者 

・会社員や公務員などの被扶養配偶者で年収130万円以下の人は第3被保険者 

2層目は厚生年金で、会社員と公務員が加入しています。 3層目は確定拠出年金や厚生年金基金、年金払い退職給付となります。 個人事業主や被保険者の配偶者は、一定年齢に達すると、国民年金が受け取れます。 会社勤めを退職した場合、受給資格年齢になると国民年金と厚生年金が合わせて受け取れます。 

確定拠出年金、厚生年金や年金払い退職給付は、会社員や公務員等の加入者が、受給資格年齢に達すると受け取れます。 

【2】個人事業主がもらえる年金額とは? 

個人事業主が追加で何らかの年金補てんを行わない場合、受け取れる年金は国民年金のみになります。国民年金の受給料は以下の通りとなっています。国民年金(基礎年金)は、受け取る時は一般的に老齢基礎年金と呼び方が変わります。 

・2017年度の受取額:779,300円(満額) 

・平均月額は52,000円 

・20歳以上60歳未満の全40年間保険料を納めると、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。 

・保険料を全額免除された期間の年金額は2分の1となります。 

・未納期間があるとその期間は年金額の計算の対象期間になりません。 

【3】ぶっちゃけ年金の未来への期待度は? 

現在の日本は少子化が進み、年金システムを支える現役世代の減少が続いています。 日本の年金システムは、破たんする可能性は低いと検証されています。しかしその財源不足は深刻化していて、近い将来年金が減額されたり、支給年齢が引き上げになる可能性は、とても高いと言われています。 

そのため、退職後すぐに年金の支給が始まらなかったり、必要な生活費に支給額が足りない事などが、容易に予測できます。そのような理由から、現存の年金システムだけに依存するのはかなり厳しいでしょう。 

【4】老後は結局いくら必要なの? 

働く世代とシニア世代に行った老後生活に関するアンケートで、老後の最低予想生活費は、夫婦2人世帯で月27万円との予想でした。中でもシニア世代の60代は30万円、70代は28万円との回答でした。そのことから実際には、世論予想の27万円より多い金額が必要なことが伺えます。 

【5】所得控除の制度とは? 

個人が将来の年金のために支払う年金関連出費は、通常所得控除の対象となります。 所得控除とは、所得税の課税を免除する特定項目の金額を、労働で得た所得から差し引くことです。 現在控除の種類は14種類あります。医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除などです。老後資金を準備する関連の出費は、通常これらの控除対象に含まれます。 

2)個人事業主が加入すべき2種類の年金 

老後の最低限の生活を保障するために、個人事業主が加入するべき公的年金は、国民年金と国民健康保険の2種類となっています。この2つは目的が異なるので、どちらも加入が必要になってきます。 

【1】国民年金(年金保険) 

国民年金は老後の生活のために積み立てるもので、20歳以上60歳未満のすべての人が加入するべきものです。 国民年金の保険料は、原則として定額制です。 

【2】国民健康保険(社会保険) 

国民年金が老後の生活資金をサポートする制度なのに対し、国民健康保険は医療費のサポートを受けるための制度です。 

【3】「自営業」と「サラリーマン」将来もらえる金額の比較 

自営業などの個人事業主と、会社員や公務員などのサラリーマンが、将来受け取れる金額には差があります。 国民年金(老齢基礎年金)の平均月額は5万5,000円となっています。自営業の人は、基本的にはこの受け取りのみになります。

対して会社員や公務員が受給する厚生年金の平均金額は、月額14万5,000円となっていて、厚生年金部分が9万円程となっています。 自営業とサラリーマンのもらえる年金平均額の差は、単純に比較すると2.6倍にもなります。

デスクワークをしているビジネスウーマン

3)将来の資産サポートに!検討したい5種類の任意加入の共済・年金 

これらの数字を見ても、個人事業主が受け取れる老齢基礎年金だけでは、老後の生活は厳しくなることが容易に想像できます。 そこで任意加入の共済や年金で、老後の資金調達を追加で行う必要があります。これから個人事業主にオススメできる5種類の共済・年金を、概要・受取額・掛け金の変更・控除・受け取り方法・メリット・注意点を合わせてご紹介します。 

【1】小規模企業共済 

小規模な個人事業主や法人の役員が利用できる共済システムです。退職の際や事業を廃止した場合などに解約して、積立金額に応じた共済金を受け取ることができます。退職金制度のかわりとして利用することができます。 

受取額:掛金納付期間に応じて、最大で120%相当額が戻ってきます。 

掛け金の変更:可能 

控除の有無:掛け金は経費として計上でき、全額が所得控除対象となります。 

受け取り方法:分割または一括で受け取ることができます。 

メリット:解約時に受け取る共済金は退職所得として課税されるため、事業所得よりも税負担が軽くなります。また、積立て金額の範囲内で、共済から資金を借りることもできます。個人事業主は通常退職金はありませんが、この共済システムで退職金積立ができます。 

注意点:掛金納付月数が20年未満で任意解約をした場合は、元本割れとなります。ただし解約の理由が引退などの場合は、その限りではありません。 

【2】個人型確定拠出年金(iDeCo) 

自分で年金を積み立てて予め指定されている金融商品で運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取れる仕組みです。月額5,000円~月額6万8,000円の間で1,000円単位で積立金額を決められます。年間の掛け金の上限は81万6,000円となっています。 

受取額:積み立てた商品の運用成績次第で変わります。 

掛け金の変更:可能 

控除の有無:積立て金額は、全額が所得控除の対象です。運用利益も非課税となります。また受け取りの際は、公的年金等控除と退職所得控除の対象となり、一定額が非課税となります。 

受け取り方法:一時金として受け取るか、年金として分割で受け取るか、または両方を組み合わせることもできます。そして60歳以降70歳までの間であれば、希望年齢から開始することができます。 

メリット:運用商品の変更をすることができます。運用成績次第ではリターンが増え、老後資金のアップが見込めます。また万が一に加入者等が途中で死亡した際は、その遺族に死亡一時金が支給されます。 

注意点:60歳まで引き出すことはできません。選択した商品の運用成績によって、リターンが少ない、もしくは元割れのリスクもあります。また、口座管理手数料や運用手数料などが掛かるため、商品を選ぶ際には注意が必要です。 

【3】経営セーフティ共済 

経営セーフティ共済は、中小企業の連鎖倒産を防ぐために作られた制度です。1年以上経営を続けている中小企業が加入できます。取引先が倒産して損失がでた場合には、積立金額の最大10倍(最高8000万円)を借りることができます。 

受取額:40ヶ月以上積み立てると、解約の時に100%の解約手当金を受け取ることができます 

掛け金の変更:可能 

控除の有無:掛金は全額控除の対象となります。 

受け取り方法:解約時に一括で受け取ります。 

メリット:会社経営の保険としても、退職金としても利用することができます。また、任意で解約する場合でも、積立期間が3年4ヶ月以上であれば100%の解約手当金を受取ることができます。 

注意点:解約手当金として受け取るお金は、個人事業主の場合には所得としてみなされます。通常所得として扱われると、所得税の課税対象となります。そのため、解約手当金の使用目的が退職金等の場合は、それを明確にした上で、所得税控除を受ける必要があります。

【4】国民年金基金 

国民年金基金には、47都道府県にある「地域型」と、25種類の職種に分かれている「職能型」があります。どちらか1つにしか入ることはできません。国民年金基金に加入できるのは20歳以上60歳未満の、個人事業主等にあたる第1号被保険者です。加入は口数制で、上限金額が年間816,000円と決まっています。 

受取額:選択した給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって変わります。 

掛け金の変更:掛金は年齢及び性別で異なり、口数単位で購入します。口数単位での変更は可能ですが、1口目の減額はできません。 

控除の有無:掛金は全額、社会保険料控除の対象となります。 

受け取り方法:終身型か確定型の計7通りの受け取り方があります。開始年齢は60歳か65歳が選べます。 

メリット:加入者に万が一の事があった際は、遺族一時金が支給されます。個人型確定拠出年金とは違い、運用のリスクは非常に低いため、元本割れする可能性はほぼないと言えるでしょう。 

注意点:国民年金に加入していないと利用することはできません。また、付加年金との同時加入はできません。 

【5】付加年金 

付加年金保険料は、国民年金と合わせて毎月400円を支払います。加入できるのは個人事業主など国民年金の第1号被保険者、農業者年金加入者と任意加入被保険者です。 

受取額:払った月数×200円となります。 

掛け金の変更:不可。掛け金は月400円の一律で、変更はできません。 

控除の有無:国民年金と合わせて払うので、所得税控除の対象となります。 

受け取り方法:原則65歳から、老齢基礎年金と一緒に支給されます。 

メリット:65歳以降2年以上受給すれば元が取れます。 

注意点:付加年金は、国民年金基金との同時加入はできません。国民年金は滞納分を過去にさかのぼって払えますが、付加年金は加入開始の月からしか払えません。 

考え事をしているビジネスウーマン

4)要チェック!任意加入に当たって確認すべきポイント 

いろいろな種類の任意加入の年金がありますが、全てに加入すればいいというものではありません。保証内容が似通っているものや、併用できないものものもあります。選ぶ際の注意点を見てみましょう。 

【1】結局どの組み合わせがオススメで効果的? 

・付加年金と国民年金基金は併用できません。 付加年金と個人型確定拠出年金は併用することはできます。 

・個人型確定拠出年金と国民年金基金は、目的が似通っているため、併用するメリットはありません。月々の掛け金の上限もどちらも68,000円です。安定性を求めるなら国民年金基金です。一方で個人型確定拠出年金は元割れのリスクもありますが、運用益によるハイリターンも期待できます。 

・個人型確定拠出年金は付加年金と併用する際も、68,000円が限度額になります。個人型確定拠出年金の掛金は1,000円単位なので、付加年金400円を払うと、67,000円が個人型確定拠出年金の限度額になります。 

・小規模企業共済とセーフティ共済は、どちらも事業経営の保険や資金繰りとしても利用できます。小規模企業共済は、 掛金の全額が所得控除の対象となります。一方でセーフティ共済への掛金は、全額が必要経費として計上できます。そのため利益が多くでた個人事業主の節税策としても用いられます。 

これらの特色を考慮したうえで、退職金として受け取れるものと、月々の年金として受け取れるものを組み合わせ、それに付加年金を合わせるのがオススメです。 

【2】手数料の安い管理会社選びが重要 

個人型確定拠出年金を選ぶ際には、手数料に注意を向ける必要があります。月々の手数料は通常の定期預金の金利よりも高く、年金として受け取る際にも手数料が月々432円かかります。管理会社によって手数料は変わってくるので注意しましょう。 

【3】年金・共済をスタートさせる流れとは? 

個人事業主が年金・共済の事を考える時には、何歳まで働くのかライフプランを決めることが大切になってきます。老齢基礎年金の支給は65歳です。ここでご紹介した年金商品は、60歳から70歳までの間で支給年齢を選ぶことができるものほとんどです。引退と受給開始のタイミングを考えて、必要に応じて遅くもらい始める繰り下げ受給もよい方法となります。 

まとめ 

1)公的年金は老後の最低限の生活を保障してくれるシステムです。

2)国民年金と国民健康保険は、両方に加入する必要があります。

3)これからの時代、公的年金以外の老後資金源は必須です

4)何歳まで働くかを考えたうえで、それぞれ年金の受給年齢を設定しましょう

5)iDeCoを選ぶ際には手数料を考慮しましょう

6)付加年金と国民年金基金は同時加入できません

The following two tabs change content below.
北田豊

北田豊

ファイナンシャルプランナー・AFP・資産形成コンサルタント
外資系金融機関にて7年間勤務。連続年間表彰、上位1%の成績を収めた後、株式会社Bright Reachに副社長として参画、入社後半年以内で、代理店ランキング全国No.1に育て上げる。不動産・保険を活用した、節税・節約・資産形成コンサルタントとして活動。MDRT基準COTホルダー




無料相談実施中!

【費用】無料

【内容】当メディアの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には、専門家にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お金を「稼ぐ」「貯める」「増やす」「守る」「遺す」の5つのステージから考える弊社独自のノウハウは、現在まで【1000名】を超える方々から支持されています。

小さな疑問から、まずはお気軽に「株式会社ブライトリーチ」までお問い合わせください