【税金の裏事情】マンション経営で節税を行う9つの進め方




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青柳 雄太郎

青柳 雄太郎

ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。
ビジネスマンの不動産経営のイメージ

「マンション経営は節税対策になります」と、色々なところで耳にします。不動産として土地だけを所有しても、それでは単なる売却資産ですから、活用して利益を得たほうが賢いですよね。マンション経営で本当に節税対策になるのか、解説いたします。

【税金の裏事情】マンション経営で節税を行う9つの進め方

1)マンション経営とはそもそも何?

一般的な「マンション経営」とは、マンションを購入してそれを第三者に賃貸し、毎月その家賃収入による安定的な生活資金などを得る経営方法のことです。通常、マイホームを購入するのと同じローンを組み、その返済に賃料収入から支出出来るので、効率性が良い経営スタイルと呼ばれています。

【1】不動産経営とは?

不動産を得ることで利益を得るのが、不動産経営の本質なので、経営ではなく「投資」に該当します。つまり支出に対して、差額益を得ることで、マンション経営で賃料とローンの差額益、不動産売却益などが該当します。地価、路線価に非常に影響を受けやすいので、都心部に投資が集中し易いですが、デベロッパーが地方で開発を行った場合も地価が上がるため、条件によります。

【2】「マンション経営」と「アパート経営」の税金面の違い

アパート経営の場合は原則、その建物全体と土地に関して「不動産」とみなして税金がかかります。家賃収入の所得税はもちろん、不動産所得などに税率が加算されます。一方で、マンション経営の形態には、土地建物などを含める場合と、分譲マンションを購入して、その部屋を第三者に賃貸として収入を得る方法の2種類があります。

この場合、減価償却としては分譲マンションの場合は価値が下がるので、将来の売却益は下がりますが、税金面では土地建物所有よりは、割合として軽減される特徴があります。

【3】節税の鍵は減価償却費?

土地などの劣化があり得ない資産を除き、通常建物や車などは経験劣化で新価よりも価値が将来では下がります。定額法、定率法それぞれで計算された減価償却費は、経費として一定の割合を計上できる点で、節税することが出来ると考える事が可能です。

2)マンション経営の節税で大切な3つの税金

最も最初にかかる税金が「不動産所得税」です。その土地建物がある、自治体m都道府県が課税するのもので、不動産所得後に送られてくる納税通知書で納付します。平成30年3月31日までは所得価額に対して土地+建物には3%、家屋のみ(借地等の場合)には4%、平成30年4月1日以降は、それぞれ4%に統一される予定です。

マンション、アパート建築時には、印紙税、登記にかかる登録免許税、消費税などがそれぞれかかりますが、経営に関しては固定資産税が一番税率としては大きいでしょう。次に多いのは、家賃収入に関しての所得税となります。一般的には税率割合から、節税の鍵は「不動産所得税」、「固定資産税」、「所得税」の3つが鍵であるといえますね。

【1】所得税

マンション経営では、特に家賃収入では一般的にアパート経営よりは、収入としては高いため、やはり所得税に関しては、もっとも支出と関係が深いものです。

・個人と法人の違いとは?

税制として、個人は一般的な所得税率が適用されますが、法人の場合は区分が「法人」で税率が法人税、法人住民税、法人事業税と別れています。所得税は、累進課税方式を採用し、最高税率40%の制限を設けていますが、法人化した場合は会社の収入として、そこには所得税はかかりません。

社長などの経営者収入には個人所得として所得税がかかります。ただし、法人化した場合は、法人税が別途かかり、会社の資本金に対して、所得に応じた税率が設定されています。

例えば資本金1億円以下の場合は、法人所得800万円以下は税率22%、法人所得800万円以上は税率30%となっています。その他事業税は、個人の場合は事業所得に対して3%から5%の範囲内、普通法人の場合は、所得400万円以下から800万円以上の範囲の場合で、3段階の税率区分を設定しています。

【2】住民税

個人事業種の場合は、所得割か均等割のどちらかを採用しており、所得割は所得に応じて一律10%、均等割は、所得の有無に関係なく一律4,000円が課税されます。法人のケースでは、標準税率適用で法人税額に17.3%をかける法人税割か、資本金1,000万円以下の場合は均等割適用で一律70,000万円の課税となります。

【3】相続税

・個人と法人の違いとは?

相続税とは、個人資産に対して土地建物などの不動産を相続する場合は、相続人に対して課税される仕組みです。個人事業主としてマンション経営した場合は、建物と土地も個人所有となるので、全体として相続税が課税対象となります。

一方で法人化した場合は、土地に関しては所有者は個人であるのですが、建物は「会社のもの」となるために、法人所有として設定できます。従って、建物を第三者に譲渡する場合は、「簿価」と呼ばれるこれまで減価償却費を試算に入れた帳簿価額で売買することになるので、譲渡することで相続税の差額による譲渡損益が発生しないことがあります。

つまり、譲渡益が発生した場合は、そこに課税されるのですが、譲渡損が発生した場合は課税から外されるので、減価償却費を上手に活用すれば、節税することも可能となるわけです。

電卓と確定申告書類

3)マンション経営における節税までの一般的な9STEP

【1】STEP1:賃貸会社に相談

一般的には「不動産会社」と呼ばれる事業者か、あるいはデベロッパーと呼ばれる土地活用事業者に依頼して、資産運用と活用方法としてマンション経営の相談を行い、賃貸事業全体の試算を行うことからスタートさせます。資本金、銀行借入金などから、賃貸規模を設定していくことになるでしょう。

【2】STEP2:物件選び

土地建物を購入する場合は、土地の価額は路線価や周辺の土地標準的な評価額が関係するので、通常は路線価を重視すると、投資価値としては高いことになります。建物の建造コストと土地所得に対しての固定資産税が家賃に分割上乗せされることを考慮し、世帯収入、周辺施設の充実度で適切に選択していくことになります。

【3】STEP3:マンション購入

土地所有から始めて、やがてマンションを建造する際には、工期と賃貸契約が並行して行われることが望ましいです。一旦建造されてからの賃貸募集では、満室になるまでの時間敵ロスがそのまま収入減に繋がりますので、ロスの無いように確実に工期を完了する計画性、賃貸契約の確保のための宣伝や不動産会社の営業も重要になります。

【4】STEP4:入居者募集

入居者募集に関しては、不動産会社に委託するのが通例ですが、規模がそれほど大きくない階数の場合は、個人で建物に付随させる広告物でも同時に入居者募集の広告を出す手段も採用されます。

【5】STEP5:入居者決定

入居者が決まるまでには、不動産会社と締結する手数料、及び賃貸契約状の約款などを作成しておく必要があります。特に建物の維持費として管理費などは、非常に重要です。他は住人退去時の原状回復費用の住人負担割合も考慮に入れるべきですね。

【6】STEP6:収支計算

マンション経営初年度は、不動産所得に対する課税がされるので、それを踏まえて家賃収入と維持管理コストなどを帳簿に記載し、収支は家賃は通常12ヶ月割なので、1ヶ月分の収支を毎月、月末ごとに計算していくほうが望ましいでしょう。

【7】STEP7:確定申告

マンションの法人経営と個人経営では税率が異なるので、それを踏まえた帳簿作成は会計士が必要となる場合もあります。通常はマンション経営といっても、所有はオーナー、運営は不動産会社に委託し、その帳簿を持って確定申告をしていくことになります。

【8】STEP8:書類準備&必要書類作成

確定申告に必要な書類は、マンション経営の場合収支内訳が分かる資料、賃貸料、租税公課、修繕費などのコスト内訳などを記載した収支内訳書がまず必要です。個人事業主で不動産所得が利用できる場合は、青色申告決算書が必要となるでしょう。

法人化で経営者以外に社員がいる場合は、給与所得の源泉徴収票、生命保険料その他の経営者が負担する個人の社会福祉費、住宅にかかるローンならば、それの証明書や添付書類が必要となります。

【9】STEP9:各種税金の還付&軽減

確定申告前には、事前に収支決算から、自分で減価償却費などを組み入れた減税方法を考慮しながら、収入と運営費の両方で節税対策を行います。特に所得税は、節税によって還付されるケースもあるので、個人の保険費用、住居などの保険費用や、個人年金などは考慮に入れる必要があります。

4)どんなケースが節税となる?ケーススタディを解説

通常のマンション経営の場合で経営者自体がオーナーの場合は、やはり減価償却費と相続税対策が重要です。一旦マンション経営を始めれば、その資産は継続して身内や親族、あるいは近縁者に財産として贈与でき、相続を想定できるからです。

またローンに関しては重要で、建物の所得価額でローンを組んだ場合は、ローンの元金は所得した実際の資産なので、これを経費に含めることはできません。ローンの利息のみが経費として計上できます。

【1】ケーススタディ1:給与と賃料収入を損益通算として確定申告する

例えば、マンション経営をしながら通常の会社員として給与所得がある場合は、マンション経営から得られる家賃収入は不動産所得となるので、この場合はマンション経営の必要経費を加えることで大きな節税になる場合が多いのです。

これは、減価償却費とローンの利息払い、管理費、固定資産税などは、家賃収入から差し引かれるため、マンション経営初年度から一定数年間は赤字になるのが普通です。その結果、赤字となった不動産所得と給与所得を差し引きた場合は、総所得全体は、給与所得よりも下がるために、結果として住民税、所得税が軽減されるというわけです。

【2】ケーススタディ2:不動産投資として相続税を軽減させる

現金などの通常の資産を相続する場合は、証券も含めて「地価」になりますので、評価額がそのまま課税対象となります。一方で、自分の資産をマンションとした場合は、土地の評価額は地価であっても、建物は減価償却費を組み入れた「簿価」となるので、簿価は毎年低くなることが通例です。

従って評価額は平均で60%圧縮されて相続税は地価で保有した資産よりも低くなり、結果として減税となるのです。相続税は将来想定された大きな課税なので、特に資産価値が高いマンションの場合は、この節税は大変重要になります。

【3】結論!どのようなケースであれば「節税」となる?

上記の2つの節税対策を考えた場合、初期投資前の資産活用では現金や証券のまま保有した場合は、その後の相続税では軽減が見込めないため、早めの投資先としてマンション経営に転用するのが有利ではあります。つまり将来への減税対策です。

マンションの模型とビジネスマン

5)さらに理解を深めるために知っておきたい不動産経営と節税のコト

【1】管理会社を設立するとさらに節税効果が期待できる?

基本的にマンションの家賃収入は、通常の所得税で累進税率により、収入が増えた分課税も増えることになります。例えば1,800万円以上の家賃収入があった場合は、税金の合計額は比率で5割を超える計算となりす。法人の場合は、控除を除いた所得で800万円未満は3割です。法人化した場合は、個人収入ではなく、給与所得控除を抜いた、つまりは事業収益に課税されることになります。

節税を行うとすれば、一つは「管理業務委託」で、これは導入がカンタンですが、管理料は家賃収入の6%程度が目安で、デメリットは修繕費に収入から補填する場合もあるため、結果として節税効果は薄いです。つまり自分で管理会社を設立しても、コスト増になる公算が大きいのです。

次に考えられるのは、設立した管理会社にそのまま賃貸運営一括借上げすることで、その管理会社を第三者に”また貸し”する方法です。要は貸しているわけですから、そこでの収入と貸した費用で相殺すると家賃収入の約10%~20%ほどが管理会社に入ることになるため、収入の転換が出来るということです。ただし非常に手続きが面倒です。

次が、賃貸物件そのものを設立した不動産管理会社に「売却」した形として、土地だけを保有し、つまりは設立した不動産管理会社は「借地」として、地代を土地所有者である個人に支払ってる形にします。建物の減価償却資産が管理会社に移されるので、買い取った管理会社に土地のオーナーが管理料を支払うので、管理会社の社員が身内ならば、役員報酬などで合法的に所得税の減税になります。

オーナーがではなく、管理会社の身内などが株主になれば、建物の相続税減税になるというものです。しかし建物の所有権の移転手続きが必要で、管理会社は不動産所得税等のコストがかかる場合もあります。この場合は、建物が新築の場合はやや不利ですね。

【2】節税目的のマンション経営は失敗しやすい?

結局、家賃収入は建物の評価額と連動しているので、経年劣化は避けられず、そのような耐用年数的に経過した物件の家賃は、やはり引き下げざるを得ないのが現状でしょう。法人化し、よほどの規模のマンション経営でなければ、節税目的のマンション経営はあまり賢い選択肢とは言えないかもしれません。

5)マンション経営vsアパート経営vs株式投資vs保険の節税比較

【1】マンション経営による節税(難易度)★★★★★

・メリット:新築物件の初年度は様々な支出が経費としてなるため、節税効果は大きい

・リスク:減価償却費と家賃は反比例することはなく、通常劣化した建物の家賃は下がる

【2】アパート経営による節税(難易度)★★★★

・メリット:会社員としてアパート家賃収入と給与を足して、固定資産税と修繕費が経費と出来る

・リスク:マンションに比べて、建物評価額は年々下がるため、修繕費などの経費がかかる

【3】株式投資による節税(難易度)★★★

・メリット:株式も売買利益に累進税率が適用されるため、損失がでれば損益通算で節税可能

・リスク:株式売買で損失が出た場合は、投資元本が目減りし節税は単なる保険になりやすい

【4】保険による節税(難易度)★

・メリット:一定の控除が受けられるのと、年金保険のように利回りが良い商品もある

・リスク:法人保険などで解約時に損となる場合や、毎月の保険料支出で収入に影響が出る

考え事をしているビジネスウーマン

6)マンション経営で上手に節税効果を発揮させるために大切な4つのこと

【1】そもそも節税目的でマンション経営を始るのはナンセンス?

やや本末転倒に感じるかもしれませんが、そもそもマンション経営を節税目的のための投資であるなら、「リターン」を目的としてしなければ意味がありません。

例えば、どのようなビジネスだろうと、投資だろうと純益には税金がかかります。つまり事業の運用上、相続税や固定資産税で、その費用を家賃収入で補えれば、節税はしなくても収入と経費の差額で利益を出せばよいのです。節税効果は、この「経費」に絞って、何を計上するかで節税になるからですね。

基本的な考えは、これ以外に目的はありません。マンション経営は、不動産所得で土地にかかる固定資産税を支払うなら、それを活用して上モノである建物を賃貸物件として、収入を得て行くので、家賃総収入から、投資した金額を差し引き算出される「運用益」であるという点です。

従って、法人化した場合は、「投資の利回り」に重点を置きます。この場合は家賃収入の純益です。つまり、利率を上げるには出来るだけ経費を節減して、リスクを回避する必要があるのです。特に減価償却費には要注意になります。結果的に、相続税対策だったマンション経営が赤字なら、節税も意味ありません。

【2】「初期投資初年度」が最も節税をするタイミング

初期投資が本当に効果があるのかは、はじめに見極めておかなければなりません。例えば土地の路線価や、周辺環境のインフラ整備などです。鉄骨建造の新築マンションだったとしても、その周辺が開発中で、近くに新しいマンションが出来た場合、当然消費者の選択肢は増えることになります。

しかも、初期投資で設備を節税として計上できるのは、最初の数年だけです。部屋数が多ければ、当然ですが居住者募集の経費や修繕積立金も必要になります。加えて賃貸では、住人退出時には、原状回復費もかかかるため、それを家賃に入れるか、管理費で計上するかで、節税といっても大きくその差が出ることになります。

【3】経費を節減出来るかがマンション経営の鍵

分譲マンションとはとは違って、売却費用で投資支出を補えるわけではないのも要注意です。分譲マンションは、部屋数に応じて土地をその部屋数数で割って固定資産価値とするので、実際には土地付きの不動産所得ではありません。

全室売ってしまえば、後は不動産価値は確実に下がります。従ってデベロッパーは建てて売り飛ばせば良いだけです。しかし賃貸マンションは、退出と入居の度に原状回復しても、設備は経年劣化、修繕費が増えていきます。下手な節税はかえって、この維持費を算出出来ず、収益が減る可能性も否定できません。つまり、経費を節減する方が先です。

【4】新築だけが全てじゃない

例えば中古物件のマンションを土地ごと購入し、内装と設備に投資をするなら、建物の最初の不動産所得税は低く抑えられます。それを比較的同規模のマンションよりは安い家賃で提供した場合、賃貸ではむしろ入退室が多くとも、入居者は継続して確保できる場合があります。

特に路線価で高い土地の固定資産税は高いために、新築から保有してした不動産所有者は、既に維持費の増加と相続税で売却を検討している例があるからです。そうした物件は、築年数が高くとも、安く購入できます。減価償却費も低いので、経費も低く、不動産所得自体が節税となるわけです。

まとめ

1)節税は初期投資で非常に有効なので、設備等の充実でマンションの価値を上げること

2)管理会社の支出自体が経費になるので、相続が必要になった時に節税を検討すること

3)節税目的と利回りだけで、マンション経営を考えないこと

4)規模が大きければ法人化、それ以外で小さい規模なら家賃は個人所得とする方が良い

5)複雑な手続きを必要とする節税対策は、かえってトラブルのもとになる

6)マンション経営は、営業利益を得るのではなく、投資に対してリターンを求めることである

7)マンション経営は、結局路線価、すなわち人気のある土地の方が入居が見込まれる

8)賃貸管理会社をパートナーとし、利回りではなく家賃滞納などのトラブルに備える

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青柳 雄太郎

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ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。




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