
結婚後のさまざまなライフイベントを叶えるための貯金は、多い程安心です。
新婚時代は一番貯金がしやすいですが、それまで1人で気ままに使っていたお金を2人でストレスなく貯め始めるにはさまざまなコツがあります。上手な貯金方法を見ていきましょう。
圧倒的に差が生まれる新婚貯金の14の進め方【貯金術】
1)貯金はなぜ必要?新婚時の平均的な貯金額とは?
結婚後には子供や住宅など、さまざまなライフイベントがあります。それらを実現するために必要な資金は、なるべく多い方がいいものです。一般的にはいくら位の貯金額から結婚生活をスタートしているのでしょうか?
【1】年代別にみる新婚生活スタート時の貯金総額とは?
・20代:約500万円
・30代:約700~1、000万円
・40代:約1,500万円から2,000万円
【2】貯金を始めた時期ってみんないつ頃から?
働き始めた1年後位から意識して貯金を始める人が多くなります。初任給から給与天引きなどの貯金を始める人も少なくありません。結婚を意識した時点で、協力しあって結婚費用を貯め始めるカップルも多くいます。
【3】新婚時の貯金の理想はいくらくらい?
理想の平均金額は「約300万円」となっています。家賃や食費費等の生活費3か月分に初年度の両実家への帰省費用、電化製品等の買い替えなどに備えた予備費をカバーできる位の金額が理想です。
【4】貯金がなくて不安な夫婦も結構いる?
結婚式や新婚旅行、引っ越し費用などで独身時代の貯金を使い果たしてしまう夫婦も少なくありません。
【5】理解しておきたい将来何かとかかるお金
夫婦として備えたい、出費を伴う将来のイベントには次のようなものがあります。
・出産にかかる費用
妊婦検診、検査費用、出産費用、マタニティグッズや赤ちゃんグッズなど、平均で50万円程かかります。不妊治療や里帰り出産をする場合はさらに出費が増えます。出産一時金の支給など様々な助成がありますが、助成費用は子供の将来への貯金に回したいものです。
・子供の養育費
子供1人を育てる必要な費用の目安は、平均1,500万円となっています。
・突発的な医療費
万が一の病気やけがで収入源がなくなった場合やその治療費など、保険でカバーできない場合の備えが要ります。
・年金の不安
どんどん遅くなる年金の支給開始時期を考えると、将来に備えて年金を補う貯金が必要です。
・インフレの影響
年々上昇する物価や家賃に対応するための備えも必要になります。
2)実情どれくらいお金がかかる?新婚夫婦のリアルとは?
新婚生活にかかるお金はどの位なのでしょうか?
【1】結婚前と結婚後ってどんな風に支出は変化するもの?
すべての費用が×2倍になるわけではありませんが、多くの場合、住居費や食費は増えます。支出は「1.75倍」程度に考えておきましょう。光熱費や、両方が取っていた場合の新聞やテレビの受信料などは半分程になるかもしれません。
【2】新婚夫婦の月の平均支出
新婚夫婦の全国平均の生活費は「20万円~25万円」となっています。主な内訳をみると、住居費7万~10万円、食費3~4万円未満、光熱費やスマホ代が3万円、レジャーや交際費などが2~3万円、保険料が2万円などとなっています。
【3】すでに子供がいた場合は更にどれくらい違う?
すでに子供がいた場合には食費や保険料がやや高くなる傾向にあります。加えて未就学児の場合、子供関係費用費が1万~3万円程かかります。

3)目標設定!新婚夫婦の貯金額の決め方とは?
貯金の第一歩は目標金額の設定です。月々の貯蓄目標と長期の目標を立てましょう。ライフスタイルの変化による収入源の変化も忘れずに考慮しましょう。
【1】共働き夫婦のケース
2人とも仕事を続けている場合、世帯収入の25%~30%は貯蓄に回したいものとです。将来出産を機に妻が退職予定なら、妻の収入を全額貯金に回すようにすると一層効果的です。
【2】片方のみ働いているケース
新婚2人暮らしで1人だけが働いている場合は、収入の20%程を貯金に回すといいでしょう。
【3】すでに子供がいるケース
子供のために貯金を殖やしたい反面、子供関係の費用もかさみます。10%~15%を目標に貯金を頑張りましょう。
4)新婚貯金で実践すべきアイディアと14の進め方
どんどん貯金を殖やすために実行したいアイディアを見ていきましょう。
【1】STEP1:まずは「固定費」「変動費」を把握しよう
固定費とは家賃や保険料など、毎月(または年単位で)定額でかかる費用です。対して変動費とは食費やレジャー費など、月によって金額が変わる流動的な出費の事です。
まず3か月分、家計簿をつけたり買い物のレシートを見直したりして、それぞれいくらずつかかっているか把握しましょう。この作業は無駄な固定費をカットし、変動費の適切な予算を決めるために必要な作業です。
【2】STEP2:先取り貯金の習慣
貯金が一番溜まりやすい方法は、使う前に先取りしてする方法です。STEP1で固定費と変動費を把握して月々の予算を立てたあと、貯金額を決めて先取り貯金を始めましょう。
【3】STEP3:家の中の整理整頓&不必要な物の物販
家の中を片付けて不用品はリサイクルショップやメルカリなどで売りましょう。
【4】STEP4:通信費・保険費用の見直し
結婚前に個別に払っていた通信費などは家族プランに変更し、保険の種類も見直しましょう。
【5】STEP5:口座別vs口座一緒のメリデリ比較
共働きの場合は夫婦の収入を一緒に管理するか、別にするかを話し合いましょう。一般的には口座を一緒にした方が貯金はしやすくなります。ですがどちらか片方だけに管理の負担が生じるなどの場合もあります。その場合は別管理にして生活費と貯金用口座だけを一緒にするなど、ストレスが溜まらない方法を選びましょう。それが貯金を長く続けられる秘訣です。
【6】STEP6:クレジットカードの統一
それぞれが持っているクレジットカードを洗い出し、家族カードに出来るものは変更しましょう。無駄なカードは解約しましょう。貯金の観点でみると1人1枚のカードが一番管理しやすく、貯金がたまりやすくなります。
【7】STEP7:固定費をクレジットカード支払いに
光熱費や電話代などをクレジットカード支払いにし、カードのポイントをうまく貯めていきましょう。

【8】STEP8:買い物はお得にアプリ・クーポン活用を
クーポンサイトや店のスマホアプリなどを活用し、割引をうまく使って買い物をしましょう。
【9】STEP9:家計簿アプリで楽しくお金の「出口管理」
スマホなどで様々な家計簿アプリが出ています。クラウドシェアで別々のスマホから夫婦でシェアできるものも多くあります。それらを利用して夫婦の出費を透明化しながら、うまく管理していきましょう。
【10】STEP10:まとめ買い&賢く自炊
買い物の回数は少なければ少ない程、無駄な買い物が減って貯金しやすくなります。週に1~2回まとめ買いをし、材料を使い回しながら自炊する習慣をつけましょう。
【11】STEP11:ボーナスの有効な使い方
ボーナスを月々の生活や買い物の支払いに回すのは止めましょう。ないものとして扱い、貯金に回す分や娯楽に回す分など、予算を立てて計画的に使うことをオススメします。
【12】STEP12:「貯金」だけではなく「運用」も視野に
貯金の使用目的がハッキリしている場合には、銀行に預けておくだけではなく、運用する事も考えましょう。例えば老後目的の保険商品や投資などは、税金控除の対象になる場合が多くありますし、別な目的以外に使い込む心配もありません。
【13】STEP13:収入源を2つ以上にする為の副業も候補に
給与所得だけでは貯金をする余裕がない場合、主業の副業規定に違反しない範囲で、副業することも視野に入れましょう。収入の柱を増やし、増えた分の収入を貯金に回すこともできます。
【14】STEP14:「生活口座」「貯金口座」の口座の振り分けを
生活費用と貯金用に別々の口座を準備しましょう。足りなくなった生活費を貯金から補う習慣が付くと、お金はたまりません。
5)貯金を始める前に持っておきたい5つの心構え
【1】心構え1:新婚時期は一番家計のルールを決めやすい
家計のルールは早いうちに決めておきましょう。新婚時は一番ルールを決めやすい時期です。夫婦できちんと話し合い、どうやって家計を管理していくかを決めましょう。
特に人生計画を立ててそれに必要な金額を話し合う事、それぞれの趣味を予算化することなどは、最初に決めておくことが肝心です。
【2】心構え2:夫婦(家族)でのワクワク目標・目的を決めよう
旅行や趣味への出費など、貯めることが楽しくなるような目標を決めましょう。
【3】心構え3:将来の貯金計画は”キツキツ”決めすぎない
柔軟性を持たせた計画を立てましょう。無理な計画で貯金自体が目的になると、人生の楽しみ方を忘れてしまいます。
【4】心構え4:生活水準を大幅に下げた”やり過ぎ”は夫婦関係にかえって毒
貯金のための節約を頑張りすぎると、ストレスが溜まってしまいます。メリハリのある生活を心がけ、無理なく貯蓄を続けましょう。
【5】心構え5:お金の3つの使い方「消費」「浪費」「投資」を把握しよう
お金には3つの使い道の概念があります。1つは「消費」で必要なことにお金を使うことです。2つめは無駄なことにお金を使う「浪費」です。3つ目はお金を増やすために使う「投資」です。この3つはどの家計にも当てはまりますが、「浪費」を減らし、堅実に「消費」して「投資」を増やしていくのが大切です。
まとめ
1)夫婦で話し合って、なるべく早い段階で家計の方針や貯金目標額を決めましょう
2)趣味に使うお金などは、新婚時代に話し合って予算を決めておくことが大切です
3)結婚を機に無駄な出費を見直しましょう
4)新婚時代は共働きのうちになるべく多く貯金できるように心がけましょう
5)貯金だけが目的になって楽しみがないと長続きしないので、メリハリのある生活を心がけましょう
6)「浪費」を減らして堅実な「消費」することが貯金につながります