【税制改定】不動産の消費税還付を解説!手順と注意点まとめ




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青柳 雄太郎

青柳 雄太郎

ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。
指を指しているビジネスウーマン

不動産購入によって還付される可能性が高まる消費税ですが、平成28年度の改正によって大きく変わり、注意するポイントを事前に押さえておかなければ、還付を受けられなくなりました。

法改正の経緯とそれに対する対応策を含めてご紹介します。

【税制改定】不動産の消費税還付を解説!手順と注意点まとめ

1)そもそも消費税の還付とは?

【1】還付とはどういう仕組み?

今回は、不動産の消費税還付についてご紹介します。まず、還付というのは納付と逆の意味で、税金を納めるのではなく、返してもらうという意味です。

【2】消費税の還付とは?

消費税の場合、仮払い消費税と仮受け消費税を比較して、仮払い消費税の方が多い場合、払いすぎた消費税を還付してもらうということがあります

2)消費税の還付の条件とは?

【1】不動産を購入

不動産の購入は絶対的な条件ではありませんが、不動産は金額が大きく、購入した際の仮払い消費税額も大きくなります。したがって、不動産を購入した年は消費税が還付される可能性が高くなります。

【2】課税事業者

課税事業者であることは必須条件です。課税事業者とは消費税の申告をする事業者のことです。要は元々消費税の申告をする必要がない方は、申告をしないので還付も受けられないということです。

【3】課税売上割合の調整

売上の中には課税売上という消費税を預かる必要がある売上と、非課税売上という消費税を預かる必要がない売上があります。売上全体の内、課税売上の割合を課税売上割合といいますが、消費税の還付金額を計算する際、全体の還付額にこの課税売上割合をかけ還付額を決定します。

課税売上割合が低くなれば還付額も低くなる仕組みになっているので、課税売上割合を高く保つことは消費税の還付を十分に受けるための条件になります。

【4】非課税売上げを発生させない

課税売上割合を上げるためには、非課税売上を発生させないことが必要になります。

3)不動産と消費税のこと!平成22年度の税法が改正?

【1】平成22年度の税制の内容とは?

平成22年度の税制改正では課税事業者選択届出書を提出してから、2年以内に不動産(調整対象固定資産)を購入・新築した場合には、その後3年間は免税事業者・簡易課税への変更ができないように法律の改正を行いました。

【2】税制の改定で変わったポイントとは?

この改正では課税事業者になってから2年以内に不動産を購入した場合に、その後3年間は免税事業者や簡易課税制度の適用ができないようになりました。この年の改正のポイントは「課税事業者になってから2年以内に」という点でした。

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4)新たに改定!平成28年度の税制とは?

【1】28年度の税制の内容とは?

28年度の税制改正では22年度の改正をさらに厳しく改訂されました。

【2】そもそもなぜ改定があったの?

この改定の経緯の発端は一時期、新聞を賑わせていた自販機スキームによるものです。自販機スキームを簡単に説明すると、自販機による販売業者として開業した後に不動産の購入をすることで、不動産購入にあたって支払った消費税の一部の還付を受けるというスキームです。

また、消費税還付を受けた翌年に課税売上が1,000万円以下であることを理由に課税事業者でなくなった旨の届出を出すことで、その後は消費税の納付をせずに済むというスキームがありました。

このスキームを受けての平成22年度の改正でしたが、先ほどポイントにあげた「課税事業者選択届出書を提出してから、2年以内に不動産(調整対象固定資産)を購入・新築した場合」という点を逆手に取り、課税事業者になってから2年経過以降に不動産を購入することで、この改正の要件を外すという新たな消費税還付スキームが発生してきました。平成28年度の改正ではこの新たなスキームに対抗する改訂でした。

【3】改定後で抑えておくべきポイントとは?

今回の改定では、物件購入から3年間は免税事業者になれないと改定されました。さらに、その3年間の通算の課税売上割合が50%を下回ると還付された消費税の返納が必要になるといったポイントもあります。

5)実践編!消費税還付を行う為の4STEP

消費税の還付を受けるためには、以下の4STEPが必要になります。

【1】STEP1:消費税課税事業者届出書を税務署長に提出する

国税庁ホームページより「消費税課税事業者届出書」という届出書をダウンロードし、管轄の税務署に提出します。

【2】STEP2:不動産の購入を行う

不動産の購入にあたって、契約書など関連書類は保存するようにしておいてください。

【3】STEP3:消費税の申告書を作成して提出する

税理士に依頼するなどして消費税の申告書を作成し、管轄の税務署に提出してください。

【4】STEP4:還付金返納の制度を回避する

先ほど説明しました課税売上割合を調整することで還付金返納の制度を回避してください。課税売上は通常の国内の商取引であれば該当しますが、サラリーマンの方であれば、自動販売機収入やネット販売なども該当するので検討してください。

6)実際にどの程度の金額が返礼することが可能?

【1】シミュレーション

売上300円(税抜き)、仕入100円(税抜き)の事業者が5,400万円の建物を購入したとします。この時、売上にかかる仮受け消費税24円、仕入にかかる仮払い消費税8円、建物購入にかかる仮払い消費税400万円となります。

この場合だと、24ー8ー400万=3,999,984円が還付をされることになります。

7)消費税還付で上手に受け取るための注意点

【1】還付年度

自動販売機などを活用して、課税売上高を生じさせることが必要になります。

【2】還付年度から3年以内

還付年度を含めて3年間の通算の課税売上高割合か50%を下回ると、還付された消費税を返納しなければならなくなります。そのため3年間で課税売上高を高め、課税売上割合を50%超にして、この返納の制度を逃れる必要があります。

【3】申告について

申告書は正確に作る必要があります。誤りがあると、呼び出しや見直しのお知らせがくる場合があります。誤りは、訂正するだけで済みますが、税務署の目に留まる可能性が高まります。また、誤りがなくても、税務署からの問合せがある場合があります。

この時に、ある程度理解しておくことできちんと対応することができます。ここで曖昧な応対をしていると怪しまれることもありますので、申告書を正確に作ることと同じくくらい、ご自身の申告の中身を理解しておくことも重要になります。

まとめ

1)不動産の購入によって消費税の還付を受けられる

2)還付申請には事前に届出の提出が必要

3)不動産購入から3年間は消費税の申告を止められない

4)不動産購入から3年を通算して課税売上割合が50%以下であれば消費税の返納の必要がある

5)課税売上を立てることで、還付金返納の制度を回避できる

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ファンドマネージャー・AFP・宅地建物取引士
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手グローバルコンサルティングファームで業務・ITコンサルティングに従事。 その後、不動産ファンドにてファンドマネージャー・社長室、外資系生命保険会社で経営企画部門を歴任。 2012年9月に株式会社BrightReachを設立し、代表取締役として現在に至る。




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